税金はひも付き、だから情報開示が必要だ

桜内ふみき 氏  


運営者 桜内さんは、「税金は国民が政府に対して出している出資金である」と考えるわけですね。そうすると、その時の受託者の責任、つまり国の責任というのはどのように定義することができるわけですか。

桜内  それはまず、財務諸表をある基準に従ってつくり開示することですね。その中で大切なのは、例えば「社会保障給付を引き上げる」という決定をした場合、「どこから財源を引っ張って来て、どのように意思決定をし、どのように使ったのか」。そのプロセスをきちんと見せる必要があるわけです。それがすなわち、受託者責任の遂行のプロセスを明らかにすることです。

運営者 アカウンタビリティですね。

税金はひも付き、だから情報開示が必要だ

桜内  日本語では「勘定」と訳されますが、「アカウント」というのは、責任範囲のことなんです。責任の範囲をどう分けるのかをはっきりさせるということです。

運営者 そうすると、何らかの取引をするとしてまず、「あなたと私はまったく違う立場です。そしてあなたにはこの範囲において責任が発生します」と明示するいうことですね。

桜内  お金を渡した以上は、責任がありますよね。衡平法上の物権として。

運営者 だけど物権というのは、占有に基づいて所有者が決まると定義されていますよね(民法239条)。それを相手に渡してしまうわけですから、渡した方としては心許ないですよね。

桜内  そこが衡平法の面白いところです。渡っちゃうんだけれども、委託者ないし受益者の手元に権利が残るわけです。
 日本の現行の信託法にある委託関係であれば、それは債権にすぎないので、実際にはその関係は切断されちゃっている。
 政府の人間から見れば、国民からいただいたような感じで受け取っているわけです。「税金は国民からもらったものであって、何をどのように使ったかを公会計ではっきりさせなきゃいけないなんて、とんでもない面倒なことだな」と思われてるのかもしれませんね。

運営者 「どう使い方を決めたかなんて、公開できるわけはないだろう。今までさんざんつかい込んできたんだから」と思っているでしょうな。

桜内  「それが実は、(委託者ないし受益者は衡平法上の物権を留保しているという意味で)ひも付きだったんだよ」、ということですね。

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