税金は国に対する毎年毎年の「出資金」である

桜内ふみき 氏  


桜内  その信託の精神というのは、アメリカの独立宣言に書いてあるわけです。独立宣言はジョン・ロックの影響を強く受けていますからね。ロックの言う「幸福の追求の権利」というのは財産権まで含んだ広いものですから。

 【われらは、つぎの真理が自明であると信ずる。すなわち、すべての人間は平等につくられ、造物主によって一定のゆずりわたすことのできない権利をあたえられていること、これらの権利のうちには生命・自由、および幸福の追求が含まれていること。また、これらの権利を保障するために、人間のあいだに政府が組織されるものであり、これらの政府の正当な権力は統治されるものの同意に由来すること。さらに、どのような形態の政府であっても、これらの目的をそこなうようになる場合には、いつでも、それを変更ないし廃止し、そして人民にとって安全と幸福をもっともよくもたらすとみとめられる原理にもとづいて新しい政府を設立し、またそのようにみとめられる形態で政府の権力を組織することが、人民の権利であること】(アメリカの独立宣言より)

運営者 その流れは、すぐ後のフランスの人権宣言にも受け継がれていますね。人権宣言の第2条に、「すべての政治的組織の目的は、人間の生まれながらの、かつ取り消し得ない権利の保全である。 それらの権利は、自由、所有権、安全、及び、圧政に対する抵抗である」として描かれています。
 さらに17条 「所有は、不可侵かつ神聖な権利であり、いかなる者もこれを奪われない」。前文で自然権が神聖不可侵と述べていますから。自然権はローマ法の流れですよ。

税金は国に対する毎年毎年の「出資金」である桜内  だから、日本国憲法のいう「幸福追求の権利」(生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする・13条)というのは、所有権や財産権を含んだものなんです。
 それで、日本国民の幸福追求の権利を、納税者としてのお金の面で見ていって表現するとすれば、税金というのは国に対する毎年毎年の「出資金」であると考えられると思うんです。先程の例で言えば、「信託」の形式による資金拠出によって、法人格を取得したのと同じ効果を生じさせることができる。従って、それを「出資」として捉えても不思議ではないということです。
 これはですね、税金を資本と見るか、収益とみるかによって公会計の勘定体系は全く違ってきますからね。結構、重要な論点なのです。

運営者 桜内さんは、「税金は国民が政府に対して出している出資金である」と考えるわけですね。そうすると、その時の受託者の責任、つまり国の責任というのはどのように定義することができるわけですか。

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