政治とは自分が考える「あるべき国」を実現する事

中林美恵子氏


 運営者 それで伺いたいのですが、アメリカの国民は選挙を通して国政に参加していると自覚しているでしょうか。彼らの「選挙に対する認識」はどうなってますでしょうかね?

 中林  例えば大学の中にヤング・リパブリカン・コーカスというようなサークルがあったりして、学生時代から共和党と民主党に分かれて、「将来国をどのような方向に動かすべきか」ということを考え活動している学生が多くいます。もちろん学生ですから大多数は自分の政党を決めてかかっている訳ではありませんが、逆に政党は学生からの提言を聞きたいと思っています。
 社会人になれば今度はコミュニティーの中で、例えば教育委員などに立候補したりとか、政党を名乗ればより有利になるようなネットワーク構築の機会があります。私の知人もその真最中なのですが、政治家になりたいと考えている人の中にはこうしたコミュニティー活動を通して這い上がってくる者がかなりいます。

 運営者 中林さんから見て、そういう人はなぜ「政治家になりたい」と思っているんでしょうか。名誉欲ですかね。なんでしょうかね。

 中林  エゴももちろん有りますけど、それ以上に「自分の考え方を国政を通して発揮したい」と思っているはずです。
 例えば現在コミュニティー活動をしている私の友人は非常に保守的な思考傾向のある人です。だから「財政は均衡するべきだし、小さな政府にして民間に資源と活力を最大限まわしたい」という理念が先に来る。それでどんどん考えていくと、結局は「民主党と戦いたい」というところに行きつくわけです。そのためには一議席でも増やして、自分がその中で力を尽くしていくしかないと考えるに至ります。
 議会スタッフとして働いている理由もそこにあるわけですが、「スタッフの仕事では自分の考えが十分に具現化できない、だから議員になるべきだ」という発展の仕方もあるわけです。

 運営者 そうか、なるほど! 議会スタッフというのも、政治参加のひとつの手段なんですね。

 中林  もちろんです。政治の綱引きによってはどう転がるか分からない立法を縁の下で支えるわけですから。

 運営者 単なるパンのための仕事ではないんだ。

 中林  共和党側の立法スタッフは民主党側の立法作業なんか絶対にやりません。もっともコウモリ人間は、どっちの党にも立法職員としては採用もされませんが。つまり議会において立法作業を支えるスタッフとして職を得るという事は、自分のイデオロギーを実現する一つの手段でもあるのです。

 運営者 ははあ、「自分が信じるべき一つの神を選択せよ」ということですね。
 そしてまた、政治をするということは、その「自分が正しいと思っていることを実現する」ということなんですね。

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