委員会は国政レベルの政策実務を行う

中林美恵子氏


 運営者 個人事務所は陳情の時にはどのような対処をしますか。

 中林  そもそも、そういう予算関係の陳情は、歳出委員会に籍を置く議員のところにより多く来る傾向があります。そういう場合は個人事務所の方から委員会のスタッフに連絡を取ります。そしてその委員会のスタッフが一緒に動くわけです。

 運営者 ということは、各州一人は歳出委員会に議員がいるという感じなんでしょうか?

 中林  いいえ、そんなに歳出委員会に人数はいませんよ。政治的な梃子の力を使わないと、歳出委員会に入ることはそう簡単ではありません。ましてや一定の歳出分野でリーダーとしての影響力を振るうには、年月と政治力が必要です。

 運営者 ということは、歳出委員会に議員のいない州は、予算措置を必要とすることはなかなか通しにくいということになるわけですね(笑)。 

 中林  そうです。だから歳出委員会が議員には一番人気があるんです。みんな入りたいと思っています。例えば選挙の熾烈な戦いの後に、特に新人議員たちはどの委員会に席を置けるかを真っ先に心配するものです。これが最初の議会活動の仕事といってもいいでしょう。

 委員会は、個人事務所とは違って、国政レベルの政策実務を行うところです。それぞれの委員会にジュリィスディクションという権限配分があり、例えば外交委員会なら外交や国務省に関する懸案を取り扱う、軍事委員会は軍事問題や国防総省に関することを取り扱う、教育委員会であれば教育関係について、予算委員会は予算の大枠と長期プラン、歳出委員会は次の年の裁量的支出について、と住み分けが決まっています。
 だから商務関係の法案であれば、商務委員会に提出するわけです。そして委員会がその法案を審議し、委員会でマークアップ(本会議へ提出法案の最終版つくりの審議)をして、「本会議に推薦する、しない」という文言をつけ、レポートアウト(本会議への委員会からの上程)をします。
 委員会に取り上げられない法案は70%近くあり、それらは直接本会議にいくこともなく討ち死にです。委員会は委員長が了解する法案しかとりあげません。また委員会に取り上げられても、本会議の時間は限られており審議にまで漕ぎ着けないものも多々あります。

 運営者 ということは、多数決で決めるということではなくて、委員長は拒否権を持っているという感じなんですかね。

 中林  ほとんど委員長の裁量で、どの法案を取り上げるかどうかが決まりますね。

 運営者 強烈な権限ですね。

 中林  それはもう。

 運営者 なぜ委員長にそんなに強大な権限が持たされているんでしょうか。確か委員会のスタッフも委員長についているようなものなんですよね。

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