立法府の復権が、日本の活力を取り戻す

中林美恵子氏


 中林  要するに、立法府が機能していないということだと思います。立法府がないんです。

 運営者 どのような理由でそういうことが言えるか整理していただけますか。

 中林  まずは、立法機能の土台が別の府にとられている。専門知識のあるスタッフや実務経験が立法府では充実していない。
 法律的には「立法府に立法権限がある」と書いてあります。しかし、先ほどから話に出ている文化とか、過去の経緯といった周辺的なことも「制度」として考えると、事実上立法府が立法している事になっていない。日本的な「制度」として、立法府は立法機能の大きな部分を行政府に取られている。良いか悪いかの価値は別として、立法を行うための知識や経験そして人材や資料が行政府に集中しています。

 運営者 むしろすべてのリソースを行政府に依存していると言っていいくらいですよね。そもそも国会図書館というのはそのためにある機能のはずなんですが、活用されているようには見えません。

 中林  本当はもっと立法府による立法作業ができるはずなんですが、そうなっていません。

 運営者 しかし議員立法を行うためには、内閣法制局という高くてぶ厚い壁にぶつかってちゃうんですね。もちろん衆議院にも参議院にも法制局はありますが、ほぼ機能していない。内閣法制局の審査を通さないと、法案は上程できないと聞いています。そして内閣法制局は当然ながら、行政府の立場から見て、「ここがおかしい、あそこがおかしい」と指摘して、法案を丸めにかかるわけです。

 中林  それだから、事実上の「制度」って建前と違ってくるのですよね。
 つまるところ行政府が法律を作っているのでしょう。最終的に法案をマッサージするのは……。

 運営者 内閣法制局の皆さんです。

 中林  であるならば、国会議員になっても面白くないんじゃないでしょうか。

 運営者 ホントにそう思いますよ。だけど、余計な話ですが、民主党は次回の選挙に対して何人か若手官僚を出すべく準備を進めています。友人が何人かいますよ。

 中林  私は、日本が活力を取り戻すためには、国民に直に選ばれた人たちが、立法をコントロールできるシステムをつくるべきだと思います。そのシステムというのは大きな意味での「制度」を指しますから、建前を整えるだけではなく実質的にそうなるように仕組むことです。

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