ガイジンに「どうしたらいいのか」を聞くな!

中林美恵子氏


 運営者 アメリカは日本に比べるとダイナミックな社会だから、日本よりは個人が組織の利害にとらわれず、全体利益を考えた発想をしやすいと思うんです。日本に対するそのようなイメージがいくつか積み重なって、「日本はわれわれの社会とは違うということはなんとなくわかるんだけれど、日本人は頭が悪いわけでもないのだから、もうちょっとなんとかなるんじゃないのか」と思ってるんじゃないですか。
 そうこうするうちに日本は世界最大の債権国になってしまった。そして「こんな大きな資産を持っている経済が、どちらの方向に向いて進んでいるのか分からないぞ。これはなんと恐ろしいことだ、できたらフェイドアウトしてくれないかなあ」、というのが彼らの本音ではないのでしょうか。

 中林  だから常に彼らは、自分たちの影響を日本に与えよう、考えを知らせようとしていますよね。

 運営者 それは彼らのやり方であり、また正しいことだと思うんです(笑)。

 中林  ニューヨークではまだ少々違うかもしれませんが、私が見てきたワシントンでは、日本の立場は厳しいですよ。
 政治の世界で日本がどう思われているかというと、90年代を通して日本にずっといろんなことを言ってきたのに、日本は変わる、変わると口先では言いながら、結局まったく変わらない、もう少しちゃんとした変革の兆しが表れない限り、もう日本経済はダメだろうと思われていますね。‘97、’98年のときもほんとにいろいろなことを言った。インフレ・ターゲットやら、為替レートについてもいろいろな提案をしてきた。それもまったく効果はなかった。

 上院にいると、たまに日本の省庁の駐在員の方がいらして30分~1時間ぐらい、例えば「今の景気刺激策はとのようにアメリカ経済に影響を与えるか」といったことについて、インタビューされていかれます。
 せっかく米国政府の人間と良い友人になれたかと思うと、そういう人たちもすぐに転勤・移動してしまいますから、ホントに人が海外と繋がりにくいシステムだと思えます。
 ところで、たまに日本人たちから米国政策立案者に対し、「これから日本を一体どうすればいいでしょうかね」とか、「今の日本をどのように思われますか」という質問が飛び出しますが、最近の傾向として米国人の答えが熱意のないものに変わっています。例えば以前は対日経済熱血漢だった人でさえ、「そんなこと言われても我々もいろいろ大変な問題を抱えているし、日本についてどうこう言うべき立場にない。日本もいろいろ自分で頑張っているんだと思うし、まあグッドラックとしか言いようがないよねえ」、となります(笑)。
 そうした諦めは、まさに今の日本人の気分を逆に反映してしまった所以だろうと思います。

 運営者 アメリカ人は、「オレたちはこうやるのがいいからこうしているんだ」という意思を持ち、方法を自覚してるわけですね。「自分の道」を進んでいる。
 その一方で、日本人は自分たちで一体どうしたらいいのかわからないから、ガイジンに聞いてしまうわけでして。それは「お前たちはお前たちで勝手にやれ」と、言われちゃいますよね。情けないことです。

 中林  ほんとうは日本からもアイディアを出したり、提案したりして競争していくべきなんでしょうけどね。

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