コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

成功体験は、行動全体にポジティブな影響を与える  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

本間正人氏  



運営者 気づきの時間を与えるわけですね。

本間  それで「ご自身で解決策を提示するのが効率的だと思われているのかもしれませんが、この場でもそういうやり方をされているとするならば、よほど皆さんが意識をしておかなければ、部下の話は聞けないでしょうし、部下のいいところを伝えてあげるというのは難しいですよね」と申し上げるのです。
 これを1回やると、その後のロールプレイはすごくやりやすくなりますね。

運営者 自分で気づいて、変わることができたからでしょうね。

本間  本人の心に訴えかけるような体験をやっていただかなければ難しいわけです。例えばブラインド・ウォークという目をつぶって歩くエクササイズも取り入れています。講義を受けて頭で理解するだけではなくて、心で分かってもらうのが大切なので、手を変え品を変え、色々な角度から研修をやっているわけです。

運営者 いったいそれは、それだけの努力をして何を伝えようとしているのかというと、やっぱり「相手は独立した一個の尊重すべき人格なのだ」という、それだけの当たり前のことだと思うんですけどね。

本間  と同時に、もうひとつ加えるとするならば、自分自身を見つめる自己理解のトレーニングも同時並行で進めているわけですよね。
 管理職の人は結構まじめな人が多いので、「ああ、おれはダメなやつだあ~」と思われては困ります。一人一人を勇気づけて、「こうすればもっとうまくいくかもしれないな」というヒントをなるべく具体的に投げかけてあげるということだと思うんです。
 例えば「禁止の命令文を使うのはよしましょう」と。「~してはいけない、~してはダメ」。それはネガティブイメージトレーニングになってしまうわけです。部下に「ミスをするな」と言うと、なぜかミスをしやすくなってしまうのですね。ゴルフで池のあるホールに出ると、「池ポチゃはしてはならない」と意識し過ぎるから、どうしても池にはまってしまうようなもので、「遅刻するな」といわれると、遅刻してしまうわけです。
 だから「計算ミスをするな」と言うのでなく、「検算を2回やりましょう」と言うようにすればよい。

運営者 「遅刻するな」と言うのでなく、「8時55分までに来ましょうね」と言えばよいと。

本間  そういうのはすごく使えると思うし、それによって得られるささやかな成功体験が、その人の行動全体にポジティブな影響を与えるとぼくは信じていますよ。

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