コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

話を聞かない男の「気づきの時間」  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

本間正人氏  



本間  例えば、「部下に対して宣言をしてもらう」なんていう手法がありますよ。
 「ぼくはコーチングの研修を受けてきたから、君たちの話をこれから聴くからね」とか、「ぼくが報告を受けながらソリューションをいきなり提示したときは、"ぼくの話を聞いてください"といってもいいから」と上司が部下に対して宣言をしてもらう、約束をしてもらうなんてこともやります。

運営者 それは非常に面白いですね。なるほど。

本間  そういう人たちは、宣言をしたら、「それを守れなければすごくカッコ悪いことだ」と思うタイプですから、だれか証人を作ればいいんですよ。そうすると彼の行動を抑制する効果があります。これはタガをはめるというやり方です。
 多くの人はそこまでやらなくても、研修の中で上司と部下のロールプレイングをやれば、ロールプレイと言いながらも、まず自分の地が出るんですよ。ですからある程度やっていただいて、こちらの方で見ていて「はいはい、じゃそこまでで」と言ってい途中で止めまして、「いま上司役をやった方は、部下の話を何%くらい聞いていましたか?」と質問すれば、「そういえば、全然聞いていなかったなあ」ということを、その瞬間によくわかっていただけます。
 こうすれば、レクチャーで「いきなり解決策を提示するのでなく、部下の話をよく聞くことが大切ですよね、部下が考えた解決策を聞いてみましょう」という講義を受けるのに比べれば、よりよく理解できるはずですよね。

運営者 ふーむ。

本間  あるいは、こういう仕掛けをすることもできます。上司役、部下役に加えて、オブザーバーを1人から2人置きます。そしてオブザーバー役は、ロールプレイングをやったあとで、上司役、部下役の人に、「ロールプレイングの中でどこがよかったかということを伝えてあげて下さい」というふうにインストラクションしておきます。
 それで、ロールプレイングが終わった後、「よかったことをオブザーバー役の人は伝えてあげて下さい」と言うのですが、「やっぱりあそこのところで上司役はこう質問していたけれど、むしろこういう質問の方がよかったんじゃないか?」というふうにコメントするオブザーバーがすごく多いんです。
 その時に私は気合を入れて話を止めます。
 「オブザーバーの方には、相手のいいところ、話の中でよかったところを伝えてあげてくださいと申し上げたわけですが、「むしろこうした方がいいんじゃないか、ああしたほうがいいんじゃないかモという解決策をおっしゃっておられませんでしたか?」とうかがうんです。

運営者 なるほど。

本間  それで、そこで沈黙の時間をおきます。

運営者 気づきの時間を与えるわけですね。

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