コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

やっとヒューマン・キャピタル投資に目が向いてきた  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

本間正人氏  



本間  本来人間の持つ可能性を信じて、それを伸ばそうと思っていたら、多分それを意識している人であれば、コーチングを体系的に学ばなくても、経験を積むことで、うまくやれるかも知れませんね。

運営者 であるならば、現在日本企業の中でコーチングの重要性に対する認識がかなり高まってきて、その需要に対応するためにニセモノまで出てきているというのは、いったいどういうことなのよ、と思いますけど。

本間  例えばこういう言い方ができるのではないでしょうか。
 人、モノ、金、情報といった場合に、モノのマネジメントに関してはQCとかジャストインタイムとかいろいろな手法があって、みんなかなり意識してきました。お金に関しても、売り上げ目標の管理とかROIといった指標による管理とかみんな一所懸命やってきました。
 では人のマネジメントに関してはどうでしょうか? マネージャーの心の中をグラフで考えてみると、やはり多くの部分を占めていたのは売上であるとか不良品率であるとか、そっちの数字の方がビジブルですから、意識が引っ張られることが多かったと思うんです。部下が伸びたかどうかというのはかなり計測しにくいことですから、ついついなおざりになってしまっていたということがあるのではないでしょうか。

運営者 それは、まだ部下に対する気配りや認識が足りないということではないでしょうか。

本間  全くそのとおりなんですよ。なんだけど、みんな「いや、分かっているけど、オレは忙しかったんだ」とか、「一応、一所懸命やっているんだけどね」という返事が返ってきますよ。
 だからぼくは、「気配りが足りない」という言い方をするよりも、「人に対するマネジメントにもっと力を入れれば、更にパフォーマンスが上がるのではないでしょうか」という言い方をすることにしているのですが。
 結局、日本企業は、エンパワーメントも、アメリカ企業に比べればそんなに大々的には取り入れませんでしたし、チーム・ビルディングも製造現場においてはQCやTQMなど、物を介してのアプローチが現実のチーム・ビルディングになっている。そうすると今やっと、ヒューマン・キャピタルに対する投資に目が向いてきたんじゃないのかなと思うんです。

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