コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

自己愛性障害者に対する共感3パターン  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

本間正人氏  



本間  これは単純だけど結構奥の深いエクササイズで、「あなたと家族の関係を絵に書いてください」とか、「あなたと組織の関係を、組織を四角に、あなたを丸にして描いてください」というのをやると、みんな面白い心象風景を描きますよ。

運営者 名刺というのもそうなんですよ。名刺は会社側が勝手につくるじゃないですか。だから社名と個人の名前の位置関係や大きさを見れば、その会社の社員に対する姿勢や、社員の置かれている立場がわかりますよね。
 そういう意味で非常に面白いのが電通の名刺で、裏側の色を社員が自由に選ぶことができるようになっています。その色に白の電通というアルファベットが浮かぶ形になっている。一応、会社の色を自分で染められるということです。これは試みとしては非常に面白いと思います。

本間  だから、相手と自分も同じ大きさで水平に描くというのは、岡本さんの心象風景なんです。だけどみんながみんなこういうふうに書くわけではありません。

運営者 でもこういうふうに持ってこなければ、お互いがメリットを得るパートナシップというのは組めないと思うし、コーチングもできないじゃないですか。

本間  コーチングをする上では、これがいちばんやりやすいと思っています。
 でもラポール(相手との心理的な架け橋)を取るために相手の心理にかなり近いところまで自分から寄っていくというのもひとつのスキルですよ。どちらかというとぼくは、研修の中では相手より少し下手に出るかな。自分が小さくなって下手に出て、「あなたはできますよ」と励ましていく。場合によっては承認のスキルを使って、上から相手を叱咤激励するということもあります。相手の内側にかぶるようにして、シンパシー、エンパシーをフルに活用して、「ホントに辛いですよねー」とただひたすら共感することもあります。

運営者 そうそう、和田秀樹さんにこの前お目にかかって教えてもらったんですが、自己愛性人格障害の人たちに共感を示す方法は3つあるというんですね。コフートという学者の自己愛性障害者に対する共感3パターンですが、今の話と全く同じで、

「アナタすごいねえ」とひたすらほめてあげるのと(鏡自己対象)、
「私がついているから大丈夫ですよ」と励ます形と(理想化自己対象)、
「あなたと私は全く同じだからだいじょうぶですよ」というやり方(双子自己対象)、

 ・・・があるらしいです。

本間  ですから相手と自分の周りを、固定したものではなくフレキシビリティーがあるものとして考えるのがすごく大切なことだと思うんです。ただし、ぼくが対象としている多くの人は、人格障害というわけではありませんよ(笑)。

運営者 もちろんわかってます。それで問題は、どのくらい多くの人たちを、行き詰まっている状態から前向きに変えることができるかどうかということなんですが・・・。

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