コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

プロのコーチを専門職として社内で養成する  コーチングは日本の「やる気」を呼び起こすか

本間正人氏  


運営者 それはなぜだと思われますか。

本間  だれも最初にやりたがらないからだと思います(笑)。
 それにたぶん、トヨタや松下電器の社長クラスにきちんとコーチングできる人材は、日本中で現在4、5人ぐらいしかいないのではないかと思います。ある程度のビジネスバックグラウンドを持っていないと、例えば社長が「アジアの設備投資をすべきかどうか」悩んでいるとして、そうした戦略上の言葉や背景が分からないと、質問自体が的外れになってしまうということがありますよね。

運営者 次の「プロのコーチを専門職として社内で養成する」というのはどんなものですか。

本間  「企業外におけるパーソナル・コーチング」とはまた別の流れで、コーチングの専門職を社内コーチとして養成するというルートなんです。
 長い目でみると人数がいちばん増えるのはここでしょう。企業がフラット化しているということは、1人の管理職が管理しなければならない人数が増えているということです。そうすると、目標管理制度で売り上げ数字の管理などはできるでしょうが、一人ひとりの指導育成などについては目が届かなくなってしまいますね。
 そういうときにいちばん理想のモデルとして考えられるのは、各グループにマネージャーがいるとして、マネージャーは業務目標の遂行にまい進するし、その横にグループ専属のコーチがいて、一人ひとりのメンタルな問題だとか、あるいは能力の向上などをサポートするような形が理想でしょう。

運営者 ぼくがこれまで漠然と思い描いていた理想的な管理職のイメージというのは、そのマネージャー自身がコーチングの能力を持っているという姿だったのですが、そうでなくてもよいということですね。

本間  そこはやはり、マネージャーにも適性があるので、ハードボイルドのマネージャーで、管理者としては優秀だけどコーチとしてはあまり能力がないという人もいるんですよ。
 逆にコーチとしての適性はすごくあるけれど、なかなか厳しい決断ができない人というのもいます。両方できれば言うことはないのですが、多くの場合はやはりどちらかに偏る傾向があるんですね。

運営者 それはアメリカでもそうですか。

本間  アメリカでもそうです。ただ、アメリカの場合には、労働力の流動性が高いし、自分で自分の力量を高めるという意識が強いですから、部下サイドにマネジャーに育ててもらおうという気持ちが少ないかも知れません。

運営者 なるほど。

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