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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

初の原子力空母は、訓練しながらやってくる

初の原子力空母は、訓練しながらやってくる

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  海上自衛隊の艦艇の場合、日本周辺であればBSは受信できますよ。だけどインド洋に行ったらNHKの衛星放送が見られないじゃないですか。ところが米軍はインド洋に行ってもCNNが見られるわけです。それはなぜかというと、自前の衛星通信インフラをしっかり整備しているからです。
 自前の通信衛星を持つのは本当に重要なことで、世界のどの海域にいても情報を暗号化した状態でやりとりできるようにしなければいけない。

運営者 それが自衛隊でも、できるべきなわけですか?

芦川  当然でしょう。自衛隊は秘匿通信を行えるような衛星を自前では持っていません。そういう通信をしたければ、外国の衛星を使わせてもらうか、放送用の衛星の余った帯域を分けてもらうしかありません。いつでもどこでも自由に使える、自衛隊用の通信衛星、これは本当に欲しいですね。紅白の中継をあきらめるとかすればいいんでしょうかね(笑)

運営者 そんなことをしたら、多分ブラジルで焼き打ちが起こりますよ。相撲、高校野球、連ドラ・・・ダメだと思うなぁ(笑)。
 ところで、ジョージ・ワシントンは、東海岸からどうやってはるばる日本までやってくるんでしょうか?

芦川  4月の中旬に米東海岸のノーフォークを出港しました。フォレスタル級以降の空母はパナマ運河を通れるサイズではないので、南米をぐるっと1周して、米西海岸のサンディエゴに向います。
 南米の南端にあるホーン岬は波が荒いので有名ですからあまり通らない。今回の移動でも「オーバー・ザ・ホーン」とかいって、みんなで自慢するためのステッカーとかつくって艦内で売ってましたからね。

運営者 へー。大昔から変わってませんね。

芦川  だけど、ただぐるっと回航するだけじゃ無駄なので、途中で多国間訓練なんかを入れています。
 実は7月1日から、米海軍は艦隊が1つ増えます。従来なら、大西洋を第2艦隊、東太平洋を第3艦隊、西太平洋に第7艦隊、地中海・中道に第5艦隊、第6艦隊というふうに置いてきましたが、新しく南米を担当する第4艦隊ができるんです。
 これは、北米専門と南米専門の艦隊に分けることになったということですね。

運営者 チャベス政権に対する圧力かな?

芦川  そういう方向性はありますね。それで、第4艦隊配属の空母と行動を供にするような艦艇との訓練が必要になります。そこで南米沖を南下しながらブラジルやアルゼンチンの海軍と合同演習を実施して、ホーン岬を超えて太平洋側に出てからは、今度はチリ海軍と合同演習をしながら北上するってわけです。

運営者 リムパックみたいなやつですな。

芦川  私が取材で突っ込みをかけたのは、その直前に、大西洋にいるジョージ・ワシントンの最終訓練を見に行ったわけです。大西洋配備艦としてはしばらく目にすることのないノーフォーク入港を前に、向こうもすっかり慣熟していて、かなりウェルカムな状況のなかに入っていったわけですよ。
 「日本にやって来る」と聞くと、なんかゆるゆると回航されているというようなイメージがあると思うんですが、ノーフォークを出港して気分一新した状態で地域間訓練をやりながらやってくるです。

運営者 忙しいもんですね。

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