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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

原子力空母の最重要機密に肉薄か?

原子力空母の最重要機密に肉薄か?

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 

運営者 「スタートレック」に例えると、カーク船長がいるんだけど、機関部はスコッティがやってるわけですよ。要するに、スコッティがダメージ・コントロールをやらないってことになっちゃうのかな。

芦川  そうですねえ、カーク船長の指揮下にあるダメコン部門とは別に、スコッティの指揮下にも別のダメージ・コントロール部門があると捉えればいいでしょう。それがRXDCですよ。やはり原子炉の運用については特別な知識と安全対策が必要だから、その部門を独立させたわけです。
 原子炉科のなかにはダメコンも含めて6つのディビジョンが置かれて、運用、テスト、検査、教育というように、他の科とは違った力の入れ方になっています。これはこれまでの経験と理論が導き出したものなんでしょう。

運営者 その中で、何が一番大切なんでしょうかね。

芦川  恐らくすべてじゃないでしょうか。
 艦長に原子炉の安全性や運用について訊ねたとき、「原子炉に関しての教育と訓練は、海軍がもっとも力を入れているものだ」と言ってました。「その教育には最高のコストをかけている」って。原子炉科で働く人間は、時間をかけた専門教育を陸上でも艦底の上でも受けています。これはすごいと思いますね。
 本当ならそうした現場を生で見たいんですが機密と言われては仕方ないです。でも目を皿のようにしていたら、いろいろなところで原子炉に関わる情報の断片を見つけましたよ。

運営者 ほうほう、なんですか?

芦川  例えば、燃料を交換する際に使うような巨大なハッチがあるわけですよ。正式には、「リアクター・リフュエリング・ポート」と言って、ハンガーデッキ横の穴から機械を入れて燃料を交換できるようなシステムがあるんですが、その蓋になる部分は見つけましたよ。その真下の深いところに炉心があるんです。

運営者 それはどこだったんですか?

芦川  詳しい場所について避けておきたいんですが、とてもおもしろい場所にあったのは事実です。そこは、昨年の秋に日本のマスコミ陣が共同取材したときにも案内された場所です。やっぱり原子炉の上のせいか、そこはまた、妙に熱かったりするんですよ(笑)。


運営者 ということは、注意力のある人であれば、行けば気がつくわけですね。

芦川  意志を持って見ていないと、なかなか気付かないと思います。その共同取材では、取材陣の1人が、なんとそのハッチの一部につまずいて転び、カメラのストロボを壊したそうですから。

運営者 それは笑い話ですね。そういえば先日の火災ではダメコンはどう動いたんですかね?

芦川  5月22日にジョージ・ワシントンで火災が起こったのですが、このときはRXDCは本格的には動いていないと思います。ダクト内を延焼したので、この場合は普通のダメコンチームだけでいい話であったと考えています。事故直後に公開されていた写真でも、意外に余裕のある風情でしたからね。おそらく炎より煙が充満するタイプの火災だったのでしょう。

運営者 船尾で起こった火災があちこちに飛び火して、結構燃えたので入港して直さなければならない。したがって横須賀入港が当初予定の8月半ばより遅れたわけですが。

芦川  火事が起きたのは冷凍庫近くなんです。ここは私も見ましたが、確かに奥まった場所にあってダクト類が集中しているところです。原因がなんにせよ、火がつけばややこしいことになりますね。
 発表された消火時の写真では、フライトデッキ下のエレベーター部分に放水しているものがありましたが、これはダクトの排気口から先回りして放水をしていたでしょう。

運営者 わたしもそれ見ましたよ。

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