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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

原子炉専門のダメージ・コントロール部門

原子炉専門のダメージ・コントロール部門

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


運営者 なかの人の生活はどんな感じなんでしょう
芦川  なかには1週間くらいお日様を拝まないような乗員もいるみたいですね。
 一般的なシフトなら、朝6時ぐらいに起きて、朝食をとって仕事場に行って、工作科なら旋盤を回して、2回のご飯を食べたら居室に帰って寝る・・・というのをくり返してる人が多いわけです。そういうサイクルだと、就寝時間はだいたい夜10時くらいで、それなりの自由時間もあります。そこで昼間に喫煙タイムかなんか作って意図的に甲板に出ない限りは、ずっと太陽を見られないということもあり得ます。

運営者 休日はどうなってるんです?

芦川  戦時とか緊迫した状況下でなければ、日曜日は全体の態勢が緩くなります。緊迫した状態にあるときは、日曜も糞もなく緊張状態が続くんで大変みたいですが、休みなしの戦闘航海は最長90日までとなっているらしいので、それをメドに休みが得られるみたいです。
 艦の行動に余裕があるときや、まとまった補給が必要なときなどは、どこかに寄港して乗員を上陸させて休養させます。乗員にとってこれはかなりの楽しみになるんでしょうね。で、ハメを外したアホが事件を起こして捕まるとかするわけです。その影には「3ヶ月近く休みなし」という状況もあったりするわけですね。

運営者 そんな休みなしの状態はつらいですね

芦川  作戦の都合上、寄港が無理な場合は、飛行甲板上で無理矢理ビーチパーティーをやったりするそうです。これはスチールビーチパーティーというのですが、飛行甲板上でガシガシと肉を焼いて、この時だけは特例としてビールを呑んでもいいということになっています。飛行甲板の一角を仕切ってサッカーとかやるらしいですが、ボールが海に落ちちゃってゲームオーバーになったりするみたいですよ(笑)。
 あと普段の行事の一環として、艦長も出席する誕生日会もあります。巨大なケーキを焼いて、月に1回、その日に生まれた人を祝福したりするんですよ。

運営者 幼稚園かと(笑)。
 教務科と補給科以外におもしろかったのは?

芦川  運用とか、作戦とか、いっぱいありますよ。そういうところは別に、普通にあるので、「まあそうか」という感じでしたが、やっぱりディビジョンとして大きかったのはリアクター・ディビジョンですね。

運営者 「ヌークリアー・リアクター」ですか? ジョージ・ワシントンの記号のCVN73の「N」。

芦川  そうです。ここはやはり規模も350人と、でかいです。専門の「ダメコン」(ダメージ・コントロール)部門を持っていますし、所帯が大きいです。

運営者 ということは、ダメージが起こった時には、「ダメコン」は独自の機能を発揮し始めるということなんでしょうね。

芦川  そう。通常、空母のダメコン部門は、運用科のDCディビジョンが担当するのですが、原子炉科は、それとは別に持っているんですね。原子炉科、つまりリアクター・ディビジョンの中にあるダメコン部門ということでRXDCという略称になってます。まさに原子炉の安全確保のプロ集団ですね。
 日本だと、艦底のダメージ・コントロールは主に機関科が担当していますが、米海軍の原子力空母の場合、艦底と原子力部門でわかれているんですね。

運営者 それって、取材できたんですか?

芦川  いろいろと話は聞けたのですが、カメラは一切入れませんでした。最初から「ある程度までしか話せない」と言ってましたね。テロ対策も含めて、海軍の原子力部長のサインでもなければ取材できないんです。ということは、国防長官か大統領とのサインがないと取材許可は取れないってことですよ。

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