HOME > インタビュー・コーナー > 原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! > 1日に1万8000食を供給する

原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

1日に1万8000食を供給する1日に1万8000食を供給する

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  補給科の倉庫、これは艦底に近いほうある巨大なスペースなんですけど、そこに行ったとき、その少佐がガっと引き出しを開けてなかを見せるんです。見ると引き出のなかはぜんぶメガネのレンズ。これも立派な医療品のひとつですよね。「あらゆる度数のレンズが揃っている」と言われたのには驚きました。

運営者 でも探し出すのが一苦労じゃないですか。

芦川  そうした補給品は、医療品も含めて艦内ネットワーク上ですべて発注ができるようになっていて、在庫さえ確認とれれば最短30分で交付されるそうです。「在庫がない場合は?」という問いには、ときどきやって来る補給艦に依頼して、もしあればその補給を受け、それでもない場合や、緊急の場合は航空機で運んでくるのだそうです。

運営者 おそらくは、「人間が最低限の活動をするためにミニマム必要なものは何か」ということがリストアップされていて、その数とバリエーションをそろえるというシステムがあるということですね。うーん。

芦川  その少佐は、ジョージ・ワシントンの前はロスアンジェルス級の原子力潜水艦で勤務していたと言ってました。原子力潜水艦は、とにかく多様なものをストックしておこうと努力はするけれど、スペースの問題がギリギリしか持てないと言ってました。それに比べて空母は、巨大とも言っていいスペースがあるからいいと。
 ただ、余談ですけど、福利厚生の点でいうと、連続勤務時間などの点で原潜はかなり優遇されてるんだそうです。やはり疲労度が違うんでしょうね。

運営者 原潜の備品って、滅茶苦茶、特注品ばかりじゃないですか。その点空母はどうなんですかね。

芦川  普通のものばっかり。なぜかというと、本当に特殊な部品は工作科で作っちゃうんです。大田区にあるような小工場がまるごと空母の中に入ってるようなもんですから心強い。切断、溶接なんでもOKで、旋盤とかまわしてる人がいっぱいましたよ。材料もいっぱい積めますし。
 それからこうした後方支援で重要だと思ったのが、同じ補給科になっちゃうんですけど、やっぱりメシですね。

運営者 やっぱりメシですか。

芦川  1日に1万8000食ですよ。1日3食+夜食もありますから。

運営者 どのくらいのレベルのものが供給されてるんですかね?

芦川  まともなファミレス程度のものは全部あります。○カイ○―クグリルと同等かちょい上くらい。入港日の前日には、御祝儀ということで全員にロブスターが振る舞われたから、もうちょっと豪華かもしれないですね。しかし、ロブスター6000匹って、どこにあったのよと思いますね。

運営者 大航海時代だと、最初は生鮮食品があるんだけど、そのうち何もなくなって、最後にはラム酒しかなくなっちゃうわけですけど、そういうのとは無縁なわけですね(笑)。

芦川  巨大な冷凍庫が完備されているし、それを動かす電気はあり余るほどあるから平気です。むしろその冷凍庫こそ、原子力空母最大の武器かもしれません。
 個人的な感覚ですけど、出たご飯はぜんぶうまかったですよ。取材で体力も使いますから、ガシガシと食べましたね。労働のあとのご飯は実にうまいっ、という感じでした。
 乗員の食事スタイルはさまざまでバケツレベルの量を食べる人もいれば、サラダだけ食ってる人もいてそれぞれです。アイスクリームしか食べてない女の子もいましたね。訊いたら、本当にいつもそれしか食べてないとか。とにかく6000人の規模の人間の生活を支えているというのはすごいことでしたよ。

運営者 自由経済的に勝手にやるのでなく、計画的にデパートメントがやってるわけですよね。

b.pnga.png

p1.jpg
sign.jpg