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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

米空母機動部隊は日本が作ってソ連が育てた米空母機動部隊は日本が作ってソ連が育てた

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  それで、それらの運用スケジュールは、必ず一部分は重複するようになっています。例えば中東で有事となった際には、太平洋艦隊からニミッツとジョージ・ワシントンが駆けつけます。もともと中東に一隻が張り付いていますから、これに2隻が加わって、一時的には3隻の勢力になるんです。

運営者 そこで中国が台湾を攻めるんですよ(笑)。

芦川  それはインパクトがでかいでしょうね。だけど、太平洋には4隻の空母があるとして、まだサンディエゴには2隻いますから、そいつらが急遽、戦闘可能状態になってやってくるわけです。もし1隻が長期整備でドック入り状態にあれば、大西洋配備の空母がいよいよホーン岬を超えてやってくると。

運営者 サンディエゴから空母がとろとろやってきたら、中国は台湾から引き揚げていくんですよ。とりあえず最初の段階ではね。それが今後20年くらいの間に、何度か繰り返されることになるでしょう。緊迫の度合いは、中国国内の内政の不安定化度合いに比例するでしょう。

芦川  おととし、米海軍は1年かけて空母12隻をすべて同時に運用する訓練もしています。作戦運用の常識を打ち破るケースだったんですが、ちゃんと動いたからすごいです。つまりイザというときには、半年くらいであれば、全空母が動かせるようになっているわけです。

運営者 それはすごいですね。むちゃくちゃだ。

芦川  イラク戦争でも大活躍(笑)した某研究所の試算では、空母建造のサイクルが7年半に1隻というペースであれば、米海軍の空母の適正数は12隻だとされていますが、これもいまの体制を裏付けていますね。
 実際には、5年サイクルの建造で14隻を保持するのがもっともトータルコスト的に有利だとも言っていますが、いくら米軍でもそこまでは投資できないでしょうね。

運営者 このシステムはどうやってできてきたんでしょうかね。

芦川  最初は日本だったんですよね。だってもともと第2次世界大戦までは空母機動部隊なんて影も形もなかったんですから。

運営者 真珠湾でどっかんどっかん戦艦が沈んでいるのを見て、アメリカ人も「空母ってマジすげーんじゃね」と思ったんですね。

芦川  そうそう。イギリスの戦艦もドッカーンと沈められましたし。そうしたシステムを日本が編み出し、米海軍が育て、戦後はソ連との戦いのなかで巨大なシステムに発展させていったんですよ。

運営者 ソ連はそんなに空母を持っていませんでしたよね。

芦川  彼らは空母をつくらない代わりに超高速で超長距離の対艦ミサイルを作ったんですよ。米空母機動部隊を迎え撃つのに、空母ではなくミサイルで臨んだわけです。

運営者 どのくらいの射程だったんですか

芦川  200キロくらいの対艦ミサイルを60年代前半には作っていました。Tu-95ベアみたいな長距離哨戒能力をもったでかい爆撃機に、これまたでっかい対艦ミサイルを3発くらい積むんですよ。

運営者 それで編隊を組んで飛んでいって、アメリカの機動部隊を見つけたら飽和攻撃を仕掛けようということですね。

芦川  24機くらいで飛んでいって、最低で70発くらい打ち込もうと。

運営者 2、3発当たれば空母は沈むでしょうからね。それに対抗するものとしてイージスシステムが作られたわけですが。
 しかしどうしてソ連は、空母艦隊をつくる戦略をとらなかったんですかね。

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