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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

空母は6年のうち1年半闘う

空母は6年のうち1年半闘う

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  だから非常に難しいミッションの場合は複座のF/A-18E/Fを使い、そうでない場合は単座機を使うというように、うまく使い分けているみたいですね。すべてを複座にすればいいのでしょうが、そこまでは予算が豊富なわけじゃないですから。後席要員の教育に時間をかけるなら、パイロットそのものの育成に力を入れたいという実情があります。

運営者 そういえば、E-2Cは何機積んでるんですか

芦川  基本的には2機です。

運営者 他に何を積んでますか

芦川  あとバイキング、双発のジェットエンジンを積んだ対潜哨戒機。これも長時間低速でぐるぐる飛んで潜水艦ハンティングを行います。これは4機くらい積んでますね。
 あとヘリも積んでます。これは墜落した艦載機からパイロットを救う任務と、バイキングがやってるようなソナーを下ろして潜水艦を探すようなASW(アンチ・サブマリン・ウォーフェア)をやっています。バイキングは老朽化していて来年ぐらい退役するので、その跡を継ぐのはヘリですね。

運営者 そういう自衛隊の基地2つ分の航空戦力が、世界中うろうろすることができるというのをアメリカは12個持っているということですか。

芦川  空母打撃群(CSG)の艦隊は、空母を中心にして、潜水艦1隻、補給艦1隻、イージス巡洋艦、イージス駆逐艦、駆逐艦の計6隻から構成されています。もちろんこれは基本構成で、緊迫する局面では原潜が増えたり、イージス艦が増えたりします。昔はこれを空母戦闘群と呼んでいましたが、いまは海兵隊との共同作戦も重視されるようになったことで、空母打撃群と呼びます。これがおおむね12個あります。
 グループの長である原子力空母は、ひとつの稼動期間単位がおおむね6年で、その後、約1年間の長期休暇をもらって大規模な整備を行います。そのサイクルを数回やった20年目以降に核燃料の交換と原子炉のオーバーホールを行うことになります。6年というと72カ月ですが、そのうちのトータルで約18カ月間は常に戦闘可能状態がキープされます。

運営者 じゃあ、6年のうちの1年半、つまり4分の1の期間しか戦えないわけですか。

芦川  1年半という数字は常に戦える状態にする、つまり即応可能で、いつでもファイティング・ポーズが取れるという期間ですね。その間は半年をひとつの単位する作戦航海、これをディプロイメントと呼ぶんですが、それをやります。その半年間のディプロイメント中は、90日をマックスとした連続航海を繰り返し続けることになります。
 それ以外の期間は、整備明けのセットアップであったりとか、戦闘任務からはずれた訓練、あるいはちょっと規模の大きな整備とか、乗組員の休暇とかになります。

運営者 航海中の空母はどこにいるんですか。

芦川  いまアメリカ海軍は、大西洋にひとつ、太平洋にひとつ、さらに中東地域にひとつというように、3つの重要な地域に海軍部隊を常時展開する戦略を採っています。さきほども触れたように、空母の実働時間は全体の4分の1ですから、それぞれの海域で常に1隻の空母を戦闘配置に置いておくためには、3×4、つまり12隻の空母が必要になるという計算になるんです。
 実際には、西太平洋、東太平洋、北大西洋、南大西洋、地中海、中東、インド洋という7つの海域を睨んだ展開になっていますから、もう少しそれぞれの空母の動きは複雑になりますが、単純化すると3×4の公式になります。
 
運営者 ということは、中国が台湾にちょっかいを出すときは、中東の変な勢力とまず結びついてやるということですな。

芦川  それはわかりません。3カ所同時ならもう打つ手なしですね(笑)。
 まあでも空軍もいるし。

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