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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

商業用原子炉とは違う燃料棒を使用

商業用原子炉とは違う燃料棒を使用

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  商業用原子炉に使われている燃料棒は、放射性物質を金属のペレットにし、それを集めてつくっていますから、つまり燃料棒というのはペレットを詰めて作った筒なんですよ。

運営者 そうですね。

芦川  ところが艦載型の原子炉に使われている燃料棒は、全体がジルコニウムで作られたひとつの個体としての燃料になっていると言われます。金属化されているので、粉末になりにくいわけです。無垢の棒だと考えてください。つまり、水蒸気爆発とか、とんでもないエネルギーが加えられなければ、放射性物質が飛散する可能性が少ないんです。
 むしろ商業用原始炉で使われるペレットのほうが、粉末をつき固めたようなものだから、飛散しやすさの点から言えば危ないかもしれないくらいです。

運営者 幸いにして、そういう事例はありませんからね。

芦川  チェルノブイリの原子炉では固形の核燃料を使うタイプだったので、逆にあれだけ単純に炉心が露出して放射性物質がまき散らされましたね。いまの加圧水型の原子炉では考えられない事故ですよ。

運営者 加圧水型原子炉の事故はスリーマイル島事故くらいだし。

芦川  あれは冷却水がなくなる、なくならないという話ですからね。艦載型の原子炉の場合は、冷却水は海からとっています。だからポンプが故障しなければ・・・。

運営者 いや、それがスリーマイル島事故だったわけで。

芦川  ところが、モノが軍のものでしょう? 戦闘を想定しているから二重三重の安全策をこうじているわけで、緊急停止も確実にできるようになっている。もちろんスリーマイル島のような事故も教訓のひとつになっているでしょう。

運営者 原子力事故の可能性はかなり低いと考えられるわけですね。

芦川  われわれ日本人が心配するよりは、ずっと少ない。限りなく少ないといえるでしょう。むしろ心配なのは、通常動力艦が燃えたというのに、なかなか消せなかったどこぞの護衛艦みたいな事例ですよ。

運営者 横須賀に停泊中の護衛艦のCICに、中国製の冷蔵庫を私物として乗員が勝手に持ち込んで、それが燃えたために数十億円の損害が発生したという・・・。

芦川  ああいう事例は、世界を見渡しても珍しいでしょう。「冷蔵庫云々」という話もちょっと眉唾な感じもしますからね。

運営者 そのレベルから見ると、米軍の場合はリスク・コントロールのレベルがちょっと違うように感じますね。つーか、較べるなと(笑)。

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