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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

夜の着艦も全く問題なし

夜の着艦も全く問題なし

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


芦川  最初の頃の空母は、飛行甲板がストレートでやっていましたが、前のほうに飛行機がいると、着艦に失敗するとドカーンとぶつかっちゃうなんてこともあって、それを避けるために斜めの甲板をつけたのがアングルド・デッキの始まりなんです。
 なぜ左に突き出ているのか謎ですが、一説には、パイロットの心理からすると、左に旋回して逃げるほうがやりやすいということになって、そうなったとか。船の常識から行くと、ポートサイド(左舷)にアイランドがあった方が、あれだけ甲板が広いわけですから操艦はしやすいのですが、空母はなんでも飛行機中心に考えられているので、アイランドは右側になっちゃったわけです。

運営者 僕らは日本の古い空母の感覚がありますから、アングルド・デッキを最初に見たときにはすごく違和感がありましたが。

芦川  あれを飛行機から見るとかなり違和感があるんですよ。艦はまっすぐ進んでるじゃないですか。なるべく向かい風となるよう、スピードを出して艦を走らせるわけです。  ところがアングルド・デッキのセンターラインに合わせて進入してくるパイロットの目から見ると、艦は右へ右へと進んでいくわけですよ。パイロットはそれに合わせて、常に右に機体を細かく寄せていくように操縦していかなければならないなんてことがあります。


運営者 アングルド・デッキと水蒸気カタパルトと着艦システムを考えたのは、イギリス海軍にいた貴族なんだそうですね。

芦川  そうです。いまではそれがうーんと進化して、手放しで着艦できるまでなっちゃっているですが、当時としては画期的なシステムだったでしょうね。

運営者 うそっ! 第二次大戦の時の空母乗りは、夜が怖かったわけじゃないですか。それが自動で着艦できるようになったんですか。

芦川  いまでもやっぱり怖い、というより「手に汗握る」と言いますよ。真っ暗闇のなかに光る小さな点、飛行甲板手前の左端にあるライトだけを頼りに、自分の高度と左右のズレを調整しながら降りてくるんですから、その緊張度と言ったら・・・。
 そうそう、アイランドの後方に、後ろを睨むように設置されたレーダーアンテナがあります。これも着艦を支援するための装置ですね。

運営者 それが自動着艦誘導システムの一部なんですね。

芦川  ジョージ・ワシントンにはないのですが、同型艦の中には、飛行甲板の一番おしりに、大きな字で「この文字が見えたらパワーをあげろ」なんて書いてあったりします。  つまり、文字が読めるようであるなら高度が低すぎるので、そのまま降りてきたら甲板にぶつかるよ、ということです。

運営者 甲板にペイントしてるんですか? そのアイデアは日本では出てきそうもないですね

芦川  そんなシステムがてんこ盛りなので、夜の着艦も全く問題ありません。夜間攻撃の能力は、こうした艦にとっては最重要なことですからね、それが出来なきゃどうしようもない。
 ところで、夜間の発着艦の模様も飛行甲板に出て取材しましたが、ここでの取材の場合、もっとも重要なのは、絶対にフラッシュを焚いちゃいけないことです。フラッシュ焚いたらたぶん殴られて、簀巻きにされてそのまま海の藻屑に・・・(笑)

運営者 なぜですか?

芦川  パイロットだけじゃなくて、そこにいるすべての人間が一時的に視力を失うからです。パイロットだって、艦尾を凝視しているから、目が眩んで着艦できなくなっちゃいますよ。

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