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原子力空母ジョージ・ワシントンに乗ってきた! 日本人初単独取材

ジャーナリスト 芦川淳 氏

世界一うるさくて「密度」が高い世界

世界一うるさくて「密度」が高い世界

ジャーナリスト 
芦川 淳氏 


運営者 飛行甲板での取材では、どういうことに注意を払えと教わるんですか。

芦川  まず、周囲を常に見ること。それから立ち止まるな。立ち止まった瞬間に誰か、あるい移動中の機体にぶつかることがありますからね。それから、動くな。

運営者 どうしろってんですか。

芦川  つまりね、「常に注意を払え。警戒せよ」ということなんですよ。誰もが臨機応変、常に注意をしていなさいということです。というのは飛行甲板上は、動いている物体の密度が本当に濃いからなんです。何もかも、すべてが同時に動いていますからね。

運営者 甲板を歩くときは、すべてに注意を払わないと危ないわけですね。

芦川  機体を拘束するチェーンがやたら伸びてますしね。すぐそばでは発艦作業をやっているし、そのすぐ後には向こうで着艦作業をやってるし、着艦や発艦のために機体がガンガン移動してるし。そこでは乗組員が、機体の爆装や、爆装後に信管の取り付け作業とかやってるし、その横で機体に燃料給油してるし・・・いろいろなものがたった4.5アールのエリアにすべて同居しているわけです。あれだけの密度が高い世界というのは、世の中に存在しないと思うなあ。
 こんなに機能優先の世界というのはすごいですよ。その中で、安全性に気を配りつつ、戦闘任務のための飛行機を送り出しているわけですから、あれは全体を見渡すと超のつく複雑系。ちょっと想像の範疇外の空間ですよ。

運営者 いろんな色の作業着を着た人たちが走り回ってますね。

芦川  作業着の色にも全部意味があるんです。紫は燃料補給とか、赤は爆装担当。それから白色は安全管理とか。飛行甲板の上はとんでもなくウルサイ世界なので、色ですべての人間の配置がわかるようになってます。
 そうこうしていると、アイランド上から監視している人がいて、何か危険なことをやると、その人に「オラーッ」って怒られるんですよ。完全防音タイプのヘルメットを被るんですが、それがあるにも関わらず天からの怒鳴り声が聞こえます。

運営者 なんですか、そいつは?

芦川  いや、すっごいボリュームの拡声器があるだけなんですけどね(笑)。その声の主は、アイランドの最上階にいるエアボスというエライ士官です。甲板の動き、機体の発着艦のすべてに責任を持ってコントロールしてる人で、艦長はアイランドの6階(飛行甲板から見た場合)にいるのですが、彼はその上の7階ですべてを見てます。

運営者 指示を無線や拡声器で飛行甲板上に伝えてるんですね。

芦川  そうです。ただ、飛行甲板上の機体の動きに関してはエアボスの下に、ハンドラーという士官がいてコントロールしています。

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