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周辺事態法発動で日本はノーガードに

ジャーナリスト 芦川淳 氏

20.JPG術科学校

運営者 そうすると、半島有事で周辺事態法が発動したときには、自衛隊は米軍に対してどのような手伝いをしているんでしょうか?

芦川 米軍が日本の安全保障に関係する地域で活動するときには、日本が一所懸命支援しなければならないという法律だということは、朝鮮半島で戦争が起きれば当然半島からの避難民の受け容れやテロの拡大抑止が課題になるでしょう。場合によっては、韓国の領海内に入って、艦艇による支援活動をしなければならないかもしれません。
 「米軍の船に収容しきれない避難民を載せてほしい」と韓国政府から要請があれば、入港して避難民を収容することになります。 そこにもし北朝鮮の特攻挺が迫ってきたらどうなります? その時には自衛隊の艦船は戦火に直接さらされることになるでしょう。つまり周辺事態法によって、日本は初の戦闘行動を他国の領内でやることになっちゃうわけです。

運営者 そうですか。それは仕方ないでしょう、やりたくて戦争に荷担しているわけじゃないんだから。

芦川 ですけど、自衛隊が対外有事で動くのは、いま直近だとこのケースがもっとも確度が高いと思います。むしろ半島有事が拡大した場合には自衛隊に自由はなく、とくに海上自衛隊は総出で半島周辺に行かなければならなくなるでしょう。

運営者 そのボリュームが問題なんですけど。

芦川 とにかく総出になります。なにしろ日本を軍事的にも経済的にも支えている米国の要請ですから、もっとも高いプライオリティーで応えなくてはいけません。米国がカチコミに行ってるところに、「ウチは関係ない」って顔はできません。これは国際的な仁義の問題ですね。
 そうすると自衛隊は半島問題の対処に追われることになります。出動部隊のオペレーションはもちろんですが、半島で戦いが発生したということは、国内のテロ対策にも追われることになります。つまり半島だけでなく、それに付随した雑多なことが自衛隊の足を重たくしてしまうわけです。

運営者 そうか! それがあった! そのときには新幹線が爆破されてるかもしれないし、水道に毒が・・・

芦川 そうなると、当然ながら日本の南の海の守りは手薄になります。というよりも、現状では南の海の守りが出来ていない状態なので、そこに力を割ける余裕はさらになくなるということですね。
 先島諸島を即応体制で防衛しようとした場合、やはり海上自衛隊の戦力に期待するところが多いのですが、隣町で火事が起きて消防車が全部アッチに行っちゃってるようでは動きがとれないということになってしまいます。

運営者 だけどねえ、そんな陽動作戦に引っかかるほど自衛隊はまぬけですかね。

芦川 朝鮮半島の動乱が拡大すれば、火の粉は自動的にこちらに流れてきます。それは陽動というレベルではなくて、断然、先島諸島より身近なところ、言いかえれば博多湾の対岸で起きている事件であるわけですよ。これは陽動とは言わないですよ。

運営者 それは中国国内の政情レベルに依存すると思いますね。本当に中国政府自体の切羽詰まったピンチだと思ったら、つまり中国全土に反政府デモの嵐が吹き荒れていれば、「これは半島だけでは済まないだろう、人民解放軍の二正面作戦は有りかもね」と考えられますよね。

芦川 中国は繁栄の影にそうした巨大な負の部分を隠していますから、いつでも内乱になる危険性はあると考えられます。
 さて、それでですね、ちょっとここで考えてもらいたいのが、日本が侵略を受けたというシーンを想像してください。やっぱりドンパチがあって、銃を撃ちまくる人がいて、流血の惨事が起きていると思うのが普通じゃないですか? そこでですよ、例えば弾丸が1発も発射されなくて、死傷者が1人もいない、そういうタイプの占拠行動があったとして、それは果たして侵略になるのかどうか気になります。
 つまりですね、国民の生命と財産が直接的な被害をうけていない情況の場合、そういう軍事的な侵攻を憲法上どう解釈すればいいのかということです。

運営者 どういうことですか?


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