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台中開戦、しかし台湾の守りは堅かった

ジャーナリスト 芦川淳 氏

15.JPGこれがあの「同期の桜」

運営者 それで話を戻して、日本が尖閣諸島を台湾と共同統治するなどという仕掛けをしなかったとしてもですよ、いずれは中国国内に抱える問題のはけ口をどこかに向けないといけないので、「台湾を攻めようか、あるいはどこを攻撃しようか。どっかいいとこないかなあ」という話に早晩なると思います。
 これはふつうの日本人には理解しにくいことですが、中国は選挙による政権交代がないわけで、政府は常に人民に対して、その正当性を証明し続けるイベントをしなければならないからです。だからオリンピックや万博や内湯鵜飼発をやる死ねもっと小さな操作的なイベントを日常的にやっています。
 もし国内で問題が起き、人民の不満が高まったら、政府は自分の正しさを示すために、何かしなければならない。いちばん簡単なのは戦争です。半島の戦争に介入して、初戦で中国が勝てば、とりあえず中国政府の首が繋がるわけですから。
 そうするとまず考えつくことは、「半島で戦争を起こす」と。中南海とすれば「そのくらいで国内の民心の不満が収まってくれればいいな」という話ですよ。
 だけど半島でドンバチやっていると、軍部の強硬派が抑えられなくなって、「ついでに台湾を攻撃しちゃおうかな。そっちのほうがよさげだな」という話になるのではないかなと・・・。

芦川 それが一番ありそうなシナリオでしょうね。中国軍の中では、朝鮮動乱があればそれに乗じて台湾を攻めるというのは、鉄板のシナリオとして何百回もシミュレーションされているはずです。
 アジアにおいて中国の行動を制限することができる唯一の存在はアメリカです。アメリカの軍事力があるから中国は動くことができない。アメリカ軍の力が分散されて、多方面での事態に対処できなくなるような状態になった時に、中国は狙いすましたように台湾への攻撃を開始すると思います。
 いまの中国軍は、やっぱりそういう方向に準備を進めていて、どんどんと着上陸能力を高めている。彼らが考えているのは、台湾を取り、尖閣も奪い、そして米軍なき後のアジアでいかにして王として君臨するか、ということですよ。

運営者 「台湾を解放する」という大義名分もありますし。

芦川 もしかすると日本もその「解放」の中に入って来ているかもしれませんね。

運営者 もちろんですよ。ですからここでのテーマは、台湾に続いて日本人民を解放しようとする人民解放軍の攻撃を如何にして防ぐかという話なんです。
 台湾を攻撃する場合は、中国は先に先島諸島を攻めに来る、つまり日本を侵略する可能性はあるわけですね。
 
芦川 はい、あり得ますね。なぜか。台湾攻略は、簡単に済むものではないからですよ。
 台湾そのものは結構強固な防衛力を持っています。中国がいくら頑張っても単純には攻略できない。経験値こそ少ないが、国共内戦を戦った誇りや精強さを持っています。
 
運営者 中国は台湾に向けた中距離弾道ミサイルを1000基以上配備してますよね。開戦したら、ミサイルをどんどん台湾に撃ち込むんだと思いますが。
 それと揚力能力も増強していて、2008年の段階で戦車を400両、揚陸艦だけで兵員を6000人以上、客船を動員して1万5000人を揚陸することができると。すでにロシア軍の能力を超えているようですが。

芦川 その通りです。でも上陸した部隊を航空支援する能力を見ると、まだまだ完成型には遠いと言わなければならないでしょうね。
 艦艇は、揚陸艦を中心に、なんちゃってサンアントニオ級(米海軍の最新型揚陸艦)を整備するなど、かなり充実してきてはいますが、たとえそれで台湾に攻め込んだとしても、台湾の阻止攻撃の前では無傷ではいられないでしょう。制空権がなければ、艦船は行動できないし、上陸した部隊も全滅してしまいます。
 さっきの艦隊同士の戦いでも同じですよ。航空機の方が船より足が早いんですから。それに艦隊はあれだけの乗員と装備を押し立てて行って、ミサイル1発を敵艦隊に発射して相手が沈むかどうかという話だけれど、航空攻撃はせいぜい知れた数で飛んでいって相手が回避できない状況で行うわけですから、そうなると攻め手が圧倒的に不利ですね。

運営者 コスパいいですよね(笑)。


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