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潜水艦という「伏兵」

ジャーナリスト 芦川淳 氏

12.JPG校長室

芦川 そうした状況で日本側が、ハッキリと中国の早期警戒機の機影をキャッチしていれば、ひょっとしたら早期警戒機を攻撃しに行くなんてこともありますね。中国の早期警戒機は、大陸寄りを飛んでいるのでそれに肉薄するのは非常に困難だと思いますが、もしこれをカモることができれば、現場の中国航空戦力は一気にレベルダウンするはずです。

運営者 ははあ。

芦川 こういった互いの弱点を突くような形は、戦術の世界では常識的なことで、誰がなにを守るかのそのプライオリィは刻一刻で変わるんですが、ただ、これだけはハッキリしていることがあります。それは、攻撃すべき対象は「より高性能で高価値のもの」になります。 
 その意味では、早期警戒機は叩く目標としては最高のものと言えるでしょう。その次に長い射程を持つ対空ミサイルを搭載する艦艇、その次に敵の戦闘機群となります。ある意味、高価な物の順と言ってもいいかもしれませんね。まだ中国軍がそのレベルに達しているとは思いませんが、早期警戒機とのデータリンクによって、将来的には、艦艇や戦闘機が自らレーダー波を出さなくても対空ミサイルの誘導ができるようになるでしょう。そうなると、ますます早期警戒機の存在がやっかいになるわけです、
 
運営者 早期警戒機自体は防衛能力は持ってませんよね。
 
芦川 まったくもっていません。見るだけです。出歯亀です。用意できるとしても、飛んで来たミサイルから身を守る装置ぐらいでしょうかね。

運営者 でも早期警戒機を守るために戦闘機が上がってくるのか・・・。

芦川 だから、早期警戒機は戦闘機に迎撃を指示して、自分の身を守るわけです。

運営者 そうなってくると、この状況は双方にとって、ランチェスター的にどれだけの数を投入するかということになるんじゃないんですか?

芦川 そうですね。ただその場合、単に数だけの問題ではなくて、能力の総和というような考えも大事になりますね。例えば、日本側の持っている早期警戒能力のほうが高い場合、そうですね、レーダーの探知範囲が広くて、同時処理能力が高くて、脅威度の判定能力が高く、乗員の練度も高いとくれば、どの目標をいつ攻撃すればいいか確実に判断できますから、それだけで日本が著しく有利になります。
 戦闘機からすれば、早期警戒機のオペレーターから「あそこに敵がいるよ」と教えてくれるわけですから、パイロットとしての負担が減る、ということは戦闘に集中できます。
 
運営者 そうすると、早期警戒機の能力の差によって、中国の迎撃機を抑えて、自衛隊の対艦攻撃機が、護衛艦くらま撃沈の報復を遂げるというミッションを達成することができる可能性があるわけですね。
 
芦川 ま、報復と言ってしまうとアレ(笑)ですが、じゃんけんの三すくみ状態のなかでより有利に動くためには、相手の上を行く能力がないとダメです。
 それと、早期警戒機によるバックアップとは別に、潜水艦による支援も重要になりますね。こちらはとにかく隠密が得意技でしょう? 軍事的な緊張度の高まりが予測できる海域がわかっていれば、事態が起こってから行くのではなくて、先に張りつけておけます。
 たぶんですが、今でも、あのガス田の周囲には、海上自衛隊の潜水艦が潜んでいるはずです。まあ、いまの中国には絶対に見つけることができないと思いますけど。彼らが、海自の潜水艦を探知できる能力があるという情報はいままで聞いたことがありません。


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