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やっかいな中国の早期警戒管制機

ジャーナリスト 芦川淳 氏

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運営者 早期警戒機も、空中給油機も、最近まで中国にはなかったものですよ。彼らは急速な軍拡によってそうした能力を獲得しつつあるというのが最近の状況をですよね。まったく大きな「ぐんくつ」(笑)の音が聞こえてきますよ。
 そうした軍の近代化が、中国に大きな行動能力の拡大をもたらしつつあるという認識が必要でしょう。
 
芦川 中国がスーパーコンピューターの能力で1位になったと報道されていますが、そうした技術開発に投入する力があるのであれば、早期警戒機の必要性は理解しているのだから、現実に中国は作るでしょう。すでに一般的な早期警戒能力は持っていると考えたほうが良いと思います。

運営者 空中警戒管制システムというやつですね。
 
芦川 これもイージス艦と同じく、最初はなんちゃって空中警戒管制システムだと思われていたのですが、いまはそこそこの能力は持っていて、「早期警戒能力があるかないかと言われればゼロではない」というレベルからは完全に脱却していると思います。もちろん、航空自衛隊の持つE-767から見れば、大人と中学生ぐらいの差があるんでしょうけど。
 数年前に、開発者もろともテスト機が失われるという大事故があって開発には苦労しているようですが、そんなことにメゲてる様子はまったくないですね。

運営者 人名の軽い国ですからね。人だけはたくさんいるからな。

芦川 そんなこんだで、F-2の編隊が対艦攻撃のために飛んでいったとしたら、それは中国側にバレちゃいます。隠密作戦でうまくいくなんてことはなく、必ず中国は迎撃機を上げてそれを阻止しようとするので、航空自衛隊はF-2のボディガード役となるF-15Jをつける必要が出てきます。築城基地から行動を供にするか、もしくは那覇基地から離陸して、先に待機するかはそのときの情況によりますが。
 
運営者 F-15JがF-2を守って飛んでいって、F-2から対艦ミサイルを4発とか8発とか発射して、1隻沈められるかどうかという確率でしょうかね?
 
芦川 先ほど、能力的には2機のF-2で数隻がヤレるかも、という話をしましたが、それは能力的な話で、実際のシーンではそこまで上手くいかないと思います。シナリオとしては、中国の迎撃機との自衛隊のF-15Jの間で最初の交戦が始まります。中国側がSU-27を持ち出してくれば、F-15Jより射程の長い中距離ミサイルを持っているので、恐らく中国側から先に仕掛けてくるでしょう。
 敵の戦闘機は必ずF2を狙ってきます。攻撃機であるF2を撃墜しなければ、価値の高い目標である軍艦が沈められる可能性があるからです。
 中国側が日本の攻撃部隊をかなり早い時点で発見できていて、日本側にかなり入ったところでF-2を射止めようとするならば、F-15との距離が近いので、F15が先にミサイルを撃つことになるでしょう。
 ところがF2がミサイルを発射する直前、中国艦隊から100キロくらいまで接近したところで、中国側に発見されて、中国の戦闘機が群がってきたというパターンだと、中国艦隊の対空ミサイルの射程圏内に入るのでF-15がカバーできません。それ以上に近づくとF-15も標的になってしまいます。
 つまり、F-15は、ある距離まではF-2を守ることができるのですが、そこから先はF-2だけで攻撃しにいかなければならないんです。
 
運営者 なるほど。


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