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F2とF16による報復攻撃はこう行われる

ジャーナリスト 芦川淳 氏

09.JPG江田島兵学校講堂

運営者 じゃあ、日本側のガス田で日中艦隊がにらみ合っていて、中国側の先制攻撃で護衛艦くらまが撃沈されるという事態が起こったときに、その時の内閣が柳腰外交でなければ、対抗して中国側の艦船を攻撃したとしましょう。
 自衛隊はどのような方法で攻撃しますか?

芦川 そうですね、ここで大事なのが、そうした自衛隊による攻撃が行われるとしたら、それは報復ではなく、あくまでも相手方のこちらへの攻撃能力を無力化するという目的で行われることです。つまり現場に展開する部隊の安全を考え、次に事態の沈静化を目指し、それによって侵略行為をストップさせる、ということですね。
 それがどの程度のものになるかと言うと、相手のやる気や規模によって無段階に変化しますが、手段そのものは限られます。日本側の艦艇が撃沈され、僚艦も危険に晒されているような情況であれば、まずは、その僚艦から艦砲か対艦ミサイルを発射して、中国側の艦艇に対して攻撃を加えるでしょう。
 掘削ラグが焦点になれば、艦砲による威嚇射撃がエスカレートしての砲撃戦を考えることができますが、いちおうここでは現代戦のセオリーに乗っ取って、見えない距離、つまり対艦ミサイルの応酬があったとしておきます。

運営者 はい。

芦川 そこで相手にも損害が出て救助をしなければならないような情況であれば、双方でいったん引くことで時間を稼ぐような情況になると思います。それで、傷ついた護衛艦は、負傷者を乗せて領海内へ戻ります。そのとき、中国側から追っ手が出た!
 彼らとしてみれば、自分たちのEEZを守るために攻撃をしたら、相手が撃ち返してきて、こっちに損害が出た、許せん!という形になるわけですよ。日本から見れば、手負いの艦にトドメを指すかのように迫る追っ手ということになりますね。
 こうなると、こちらはそれをストップさせる必要がある。これまでの経緯で考えれば、沈めてでも彼らを抑えないと被害のさらなる拡大が懸念される、とこうなれば、築城基地からF2の部隊が対艦ミサイルを抱いて出撃することになるでしょう。2機にプラスして予備でもう2機、計4機が出て、迫る中国艦艇を攻撃することになるでしょう。

運営者 F2っていうのは、低空で飛んでいって、ヒット&アウェイなんですよね。
 
芦川 そうです。対艦ミサイルを1機あたり4発搭載できる、いわゆる対艦攻撃を得意とする攻撃機です。空中戦の能力も高いですね。これが2機で計8発、4機なら16発です。
 2機あれば、1隻に対して2発ずつ撃つとしても、4隻程度の艦隊なら大打撃を与えることが可能です。残りの2機は、予備機ですね。これも投入したら、全滅ですよ。
 このF-2が、途中から低高度で飛行して目標に向かいます。目標までの距離がミサイルの射程内に入り、かつレーダーによって目標の姿を捉えてロックオンが出来たらシュートとなります。
 レーダーで評定するときにはいったん高度を上げます。距離的には100から130kmぐらいでしょうかね。それ以上近づくと、相手艦からの艦対空ミサイルを喰らう確率が高まります。
 で、計8発のミサイルが敵艦を襲います。4隻いれば、たぶん4隻とも沈むと思いますよ。

運営者 でも、護衛艦くらまだけの報復であれば、一隻だけ沈めればいんじゃないんですか?

芦川 このミサイルの特性上、1隻だけ沈めるということはむずかしいんですよ。赤外線で相手の姿を捉えて、それとミサイル自体にインプットされている敵艦のフォルムと照合するような形で狙いを定めて突入する仕組みなんで、狙った範囲にある、ある程度の大きさの艦艇にはすべて反応して着弾するはずなんです。
 撃沈された最大の艦が消えたら、たぶんその次に大きなサイズの艦艇に当たるような、ある意味、賢いミサイルですよ。それに確実に仕留めるために全弾を撃つでしょうし。
 
運営者 人を確実に殺すために頭に2発撃ち込むのと同じですね。


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