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中国の軍艦が東京湾に入っても何もできない

ジャーナリスト 芦川淳 氏

07.JPG掃海器具


芦川 低く見積もっても十数人、艦が撃沈されるような事態になれば、半数の命が失われるのは必至かと思いますよ。

運営者 そうですか、民主党政権によれば「暴力装置」であるところの自衛隊は、とりあえず数十人の犠牲者を出さないと敵を攻撃することはできないということですね。たいした暴力装置ですな。
 つまり自衛隊員は、前線に出かけたら、自分が死ぬ確率は下手をすると半々になるかもと、思っておかなければならないということですね。自衛隊の最高指揮官である総理大臣は、隊員に対して、「お前たち、半分は死ぬよ!」と言っているようなものですね。

芦川 そうですよ。法制度も解釈もそういう形で止まったままですよ。そのいうテンプレートでずっと来ているんです。
 不審船事案などがあって、警告射撃はできるようになっていますが、実際には正当防衛が成立しないと有効な打撃を与えられませんね。

運営者 それは、武力衝突が非現実的であった時代にはそれでよかったのかもしれませんが、実際に中国が攻めてこようとしている昨今、見直しが必要なのではないでしょうか?
 つまるところ現状では、日本近海で中国海軍と自衛隊が武力衝突をしたら、護衛艦の1隻が乗員の半数程度を失うような甚大な被害を被るというのは、明確かつ確定的な現実であるということですね。

芦川 そうです。飛行機や陸上部隊であればもっとわかりやすいのですが、艦艇という軍事力を持った物体が水上を移動してくるわけですから、その対応は際どいものになるんですよ。ある意味、軍艦がやってくるということは、治外法権の土地が移動してくるのと同じようなことなんです。

運営者 だからむやみに攻撃できないんだ。

芦川 そういう外国の土地が移動してきて、お互いに攻撃する能力と、場合によっては攻撃できる権利を持っているわけですが、一般的に平時の場合は、自衛隊側に先制攻撃の権利がないという前提のままで来ていますから、どうしようもない。
 はっきりと「こういう場合には先制攻撃をする」という概念があって然るべきなのですが、そういう積極防御は事実上、ずっと否定されたままです。どんな危機が襲ってこようと、いまのままでは積極防御となる先制攻撃ができません。やはり相手のアクションとこちらの被害を待ってないとダメなんです。

運営者 恐ろしい暴力装置のはずなのに・・・?

芦川 例えばですよ、中国の軍艦がいきなり予告無しに東京湾に入ってきて、首相官邸をミサイルで狙うというどこかの映画で見たような状況になったとしても、おそらく自衛隊には手出しができないでしょう。モロに領海であってもですよ。
 領海内ですから、保安庁がまず出入国管理法違反(笑)とかで動くんでしょうが、こちらからは攻撃することができないので退去をお願いするしかないはずです。手続き的には、臨検を拒まれたら検査のために乗船を強行することができ、そこで武器の使用もOKにはなるはずですが、相手が黙秘していたら意図も分からないならどうしようもないですね。

運営者 あの映画はかなりつまらなかった(笑)。

芦川 (笑) これはキーワードだと思うのですが、われわれは「退去をお願いする」しかないのです。こちら側のアクションで実力行使ができない。

運営者 それは国家主権を放棄しているのと同じことだと思いますけどね(怒)。

芦川 ところが困ったもので、日本政府はそう解釈したままなんですよ。

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