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水上戦ならまちがいなく日本が勝つ

ジャーナリスト 芦川淳 氏

02.JPGここで戦艦大和が建造された。


運営者 平たく言うと、「日本は中国と武力衝突をしたときに勝つのか負けるのか、わかっていないとお話にならないでしょう」ということです。
 ですから私が今日は芦川さんにうかがいたいのは、今後、中国がさまざまなことを日本に仕掛けてくると思うのですが、その時に自衛隊、あるいは我が国の同盟国の軍隊はどのような対処能力を持っているのかという点についての基礎的な知識を多くの人が共有するべきではないのか、ということについての回答を求めたいと思うんです。
 装備の比較というのはむつかしくないと思うんです。でも部隊の運用とか、事態のエスカレーションというのは、軍事の素人である一般国民にはわからないんです。おそらく政治家もわかっている人は少ないでしょう。
 それと「専守防衛」という自衛隊にはめられている変な足かせについても、それがどう作用するのかの認識が必要です。
 だから、いまわかっている範囲のことで結構なので、考えられることをシミュレーションしていただきたいと思うんです。

芦川 わかりました。

運営者 まず、現在の通常の自衛隊の装備で、真正面から中国海軍とぶつかったとしたら、自衛隊が負けるということは考えにくいですよね。

芦川 そうですね、まずは海の上の話からですね。
 これってシチュエーションによって話が無限に枝分かれするので、なかなか比較は難しいんですけど、仮に同等の条件かつ同数の兵器で戦ったら、自衛隊の方が圧倒的に強いと思います。装備も訓練も質もやっぱり海上自衛隊に軍配が上がると思います。
 例えば艦隊戦・・・といっても現代戦では艦隊戦なんて起こり得ないので、全く仮定の話になってしまいますが、仮に航空兵力の援護なしで海上自衛隊と中国海軍が水上戦を行ったら、まちがいなく日本側のほうが有利でしょう。
 これは経験と装備の差がそのまま出るからで、日本はその点では戦術的にも最高水準のものを持っていると言っていいです。

運営者 艦隊戦というのは、考えにくい話ですが、第二次大戦の時みたいな艦隊決戦を想定しての話ですね。

芦川 そうそう、それです。まさに大戦中の艦艇同士による砲撃戦です。あれを仮にやったとしても、ハードウェア的にも索敵能力が高く、練度も高い隊員の手によって、中国艦艇より先に海自の護衛艦が相手を発見する確率が高いでしょう。
 そこで攻撃の決断があれば即、相手に攻撃を加えて、無力化できるテクニックがあります。仮に今回の巡視船と漁船のような近接戦になったとしても、海上自衛隊の戦闘技術のほうが優れています。
 ただ機関砲はまだいいとして、艦砲弾を1発でも食らったらアウトなので、昔の艦隊戦みたいに撃ち合いで我慢比べなんてことはないですね。先に発見し、先に撃つ、戦術上はそれに尽きます。回避行動なんてどこまで意味があるか分からないのがいまの戦闘です。

運営者 なるほど。

芦川 これに艦載ヘリの哨戒能力を加味したら、海上自衛隊のほうがさらに有利ですよ。哨戒能力、つまり周囲を見張る能力なわけですが、これにしたって装備的にも運用能力的にも海上自衛隊のほうが完全に上です。中国海軍がいまの海上自衛隊のレベルに追いつくには最低でも5年、普通に考えても10年はかかるでしょう。
 艦隊の500メートル上空にヘリを飛ばせば、探知範囲はグンと拡がり、艦艇からは水平線の向こうにある目標も易々と発見できます。そうすると水平線の向こう側の中国軍艦艇に対しても艦砲射撃を行うことが可能になるわけです。
 これにしても単に哨戒ヘリコプターを持っていればいいというわけではありません。海面上のレーダー波の乱雑な反射をどうやってハードウェア的に取り除くか、またレーダースコープ上の情報をどう読み取るか、そして戦術データのやりとりをどのような方式で行うか。これらすべて海上自衛隊に一日、いや3日の長があると考えていいでしょう。

運営者 中国海軍の艦艇の装備についてなんですが、彼らは新造艦についてはどのような能力を伸ばそうとしてるんですか

芦川 やはり敵を発見する能力と、そのデータを有機的な形で艦隊防衛に役立てようとする能力です。これはそのまま艦隊全体の対空能力の向上に役立ちますし、要するに海上自衛隊が持っているイージス艦の持つ能力、ああいったものを目指していますね。
 これは悲願の空母保有と密接に関係しています。将来的に空母艦隊を持つときに、必ず必要になるからです。

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