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外交判断の根拠としての軍事力評価が必要

ジャーナリスト 芦川淳 氏

01.JPG呉の駅前には潜水艦が陸に上がっている


運営者 2010年9月の尖閣諸島における巡視艇への中国漁船衝突、船長の逮捕と釈放という事件は、単発で起こった事件ではなくて、2010年の4月に太平洋上と東シナ海で中国軍のヘリが自衛隊の艦船に異常接近をしたという事件があったのですが、それとの関連を無視できないと僕は思うんです。

芦川 その時、日本政府は中国に抗議をしていますね。

運営者  その後こんどは海上自衛隊のヘリが、日本近海で活動していた中国軍の監視中に砲を向けられるという事件が起こっています。それについての日本側の対応もおそらくは微温的なものだったのではないのかと思うのですが、その流れと不可分ではないと思うんです。

芦川  もちろんです。

運営者 要は、中国は日本を侵略しに来てる、領域を侵すために仕掛けてきてるわけですよ。そういう事実が今回明らかになったわけです。
 なぜならば、仙谷政権が必死で隠蔽しようとしたビデオを見れば、中国漁船に乗っていた連中が単なる漁民ではないということはだれの目にも明らかだからです。海上保安庁の船にぶつけてもみんな平然としているわけですから。明らかに人民解放軍の人間、控えめに見ても工作員であることは間違いがない。つまるところあれは工作船なわけです。
 つまりこれは、中国政府の国家の明らかな意思として、尖閣諸島を手始めに日本を侵略しようとしている。ベトナムや南沙諸島でやったのと同じようなことを日本にも仕掛け始めて来たということです。

芦川 あの海域での漁は基本的には「はえ縄漁」なんですよ。ところがあの怪しい船をよく見ればトロールタイプの船なんですね。保安庁の巡視船からの警告を受けてから、網をいそいそと巻き上げてますが、あの巻き上げスピードも漁をやって獲物が入っているような速度じゃないです。どうみても偽装ですよ、あれ。
 それと船楼の屋根の上に注目すると、一般の漁船にはない数のアンテナが林立していますよね。あの振る舞いといい、あの船といい、やっぱり漁船に偽装した情報収集船だと考えるのが妥当でしょう。昔で言うところのレポ船みたいなものですよ。
 捕まるのがマズイと思って抵抗したのもありますが、ああいう抵抗の仕方で保安庁がどうでるかの威力偵察のような意味もあったと考えられますね。

運営者 まったく。
 それで日本国民はバカじゃないですから、北朝鮮による韓国への攻撃などもあいまって、世論の流れが変わりつつあるのですが、現政権は柳腰外交(笑)ですから、中国に対しては強い態度には出られないということはあります。しかしその一方で、非常にクリティカルな問題がないがしろにされているように私には思えるのです。
 それは何かというと、外交をするのであれば、「外交交渉が破たんしたときに、日本は軍事的にどのような対処ができるのか」についての、確固たる裏付けがあって初めて、政治家は外交的判断を行うべきだと思うのですが、それを野党も含めた日本の政治家はきちんとできているのかどうかという大いなる疑問があるわけです。

芦川 確かにおっしゃるとおり。内側から政治の隙を突かれ、外側からはこうしてジワジワと押してくる。中国国民というより、中国という国の中枢が日本に対して敵意を持っているのは明らかで、むしろ最近は、中国国内の報道を分析する限り、それを隠そうとしてないところに驚きますね。
 日本人の良い意味での能天気さをうまく利用されているような感じがします。表面上の友好が功を奏してか、日本国民に経済を優先させて、政治=面倒くさいという意志を植えつけるのにも成功していますしね。これでは、中国が自国でやっている愚民化政策と変わりませんよ。

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