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「国防」について考えてみよう part2

ジャーナリスト 芦川淳 氏

ヘリ搭載護衛艦は艦隊能力を高める

ジャーナリスト
芦川淳 氏   

運営者 じゃあ海自の方の話題の新装備はなんですか。

芦川  2つあります。ひとつは、DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)です。

運営者 ヘリが8機搭載できるそうですね。これはなんなんでしょうか。

芦川  これまでDDHは、シーレーン防衛をする8隻の艦隊の中心機能として考えられてきました。
 ヘリ搭載艦であるDDHが艦隊の柱として存在し、そのほかに対潜能力を強くした護衛艦、防空能力を強くした護衛艦たちを引き連れます。新しいDDHは、柱としてのネットワーク能力と、これまでにない数のヘリコプターを搭載することで航空支援能力が著しく向上すると言われています。

運営者 ヘリを搭載しているということに、一体どのような意味があるんですか?

芦川  艦船というのは、水平線を越えた向こうを見る能力に乏しいものです。なぜかというと、レーダーを艦の高い位置に据えても、見える範囲はどうしても50キロ~60キロに限られてしまうからです。それ以上遠くの敵は水平線、つまり地球の丸みの向こうにいて見えないし、わからない。
 それに対してヘリコプターを飛ばして上空からレーダーによる監視をすれば、遠くを見ることができます。だからヘリコプターは艦隊の目として重要になります。

運営者 なるほど。

芦川  またヘリコプターは艦隊の耳にもなります。耳というのは、ヘリコプターからソナーを下ろして水面下での潜水艦の動きを探知できるからです。

運営者 SH-60ですか?

芦川  今、新型のSH-60Kになりました。
 これまで一番たくさんヘリを搭載できたのはしらね級などのDDHですが、それでも2機までですよ。その他の護衛艦は、イージス艦以外は、基本的に一機しか搭載できません。
 この状態で艦隊としてヘリコプターを運用すると、おのおのの護衛艦から飛ばすことになって、その分だけ全体としてのリソースが低下します。対空なら対空、対潜なら対潜と、それなりの能力を持った艦は、その能力に特化して働いてもらいたいわけです。そういった護衛艦にヘリコプター運用能力を持たせるのは良いことなんですが、ヘリコプターは一機しか積んでいませんから、そこで事故なり故障なり起きたら、極端に全体の能力が落ちてしまいます。

運営者 あらまあ。

芦川  でも、今までのDDHは2機しか積めません。ヘリコプターをプールする能力に乏しい。だから「ヘリを集中運用できる艦を造るべきだ」という考え方になるわけです。
 まあ、「ヘリ空母」という言い方にいちいち反応する人がいますが、全体のなかの機能を見て欲しいですよね。あくまでも従来からのシーレーン防衛の中で、艦隊の能力を高めるためのものであって、他国を攻撃するためではないんですから。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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