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「国防」について考えてみよう part2

ジャーナリスト 芦川淳 氏

「マルハチ式」新戦車デビューへ

ジャーナリスト
芦川淳 氏   

運営者 それで新装備体系というところに話を戻すと、めぼしいところでは何があるんです?

芦川  陸上自衛隊は、さっきお話ししたネットワーク化ということがあるのですが、もうひとつはそれに対応する新しい装備として、新しい戦車を開発中です。

運営者 90式先輩はダメなんですか?

芦川  あれは、ちょっと前の自衛隊のドクトリンには合っていました。
 でも、北海道に集中配備されているので、例えば島根県で何かあった時に、船で運ぶのは時間がかかりすぎる。じゃ陸路でいくかというと、路上を走るためのゴムをはめたキャタピラーに履き換えるだけで大変です。いまは法律が変わったので大丈夫なのですが、平時、いや攻撃を受けるまでは原則としては平時なんですけど、そういったタイミングで部隊を展開しようと思ったら、橋は渡れないし、高速は使えないし、いまの自衛隊には90式戦車一両をまるのまま運べるトランスポーターがありませんから。
 ですから90式戦車は、北の大地で頑張っていただくしかないということです。 
 今つくろうとしているのは、本州地域で活動している74式戦車の後継になる戦車です。おそらく08年度か09年度にデビューするだろうといわれています。

運営者 90式と何が違うんですか?

芦川  わかりやすく言うと、90式のコンパクト版ですよ。重さがだいたい40トン弱。90式は50トンを越えてますね。実はいまの世界の戦車トレンドは大型化なんです。今イラクで活躍している米軍の戦車の一部には改修して装甲を追加した結果、70トン近くまでデブになっています。

運営者 なぜそんなに重くなってるんですか?

芦川  防禦能力ですよ。とにかく装甲を強力にするわけです。ところが自衛隊は、「日本の中で使うにはどのような仕様が良いか」と精査した結果、「今の74式のブラッシュアップ版で構わない。そのうえで、90式で培った技術を使おう」という結論に至ったわけです。
 そこで非常に精度のよい、世界最高精度の砲撃力をさらに性能アップし、装甲も同じく性能アップさせながら薄くするという方法で全体を軽くして、40トンくらいでトップクラスの攻撃力と防禦力を実現させようとしています。
 これは世界最高水準の日本の冶金技術があってこそできることなんですけどね。

運営者 へー。

芦川  だから90式のコンパクト版といっても、実はすごい能力を確保しつつ軽くすることも可能なので、いい戦車に仕上がる可能性が高いでしょう。
 また、これからの戦車は、個々の能力の高さよりも、ネットワークによって集団戦法をとるとか、情報収集できるアイテムとして使うということが考えられるのです。

運営者 なるほどー。

芦川  問題は名前なんですけどね。90年にデビューしたから90式というセンで行くと、08年にデビューしたら「マルハチ式」なんですよ。なんかかゆい感じがしますよね。

運営者 日本橋にあるふとんメーカーみたいな名前ですね。

芦川  09年で「マルキュー」だと語呂はいいかもしれないけど、なんか居酒屋のメニューみたいだし。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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