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「国防」について考えてみよう part2

ジャーナリスト 芦川淳 氏

自衛隊に工廠をつくろう

ジャーナリスト
芦川淳 氏   

芦川  アメリカだったら、上院の委員会などで公聴会などを通して細かく精査して「これは高すぎるから駄目」と、ダメ出ししたりしますからね。それはダメ出しできるだけの知識があるからです。強い調査権を持っていて、細かい情報の積み上げをやったうえでダメ出しする。
 それはなぜかというと国税の使い道に対する責任があるからです。税金をいかに有効活用するかという話ですからね。

運営者 アメリカには巨大な議会調査局がありますからね。軍隊経験のある人も多いし。

芦川  しかし日本の国会にはそうした考え方がないですから。それと日本には軍隊アレルギーがあるので、みんなが兵器のできるプロセスをまったく知らないし、知ろうともしません。そんな状態で「自衛隊が生産ラインを持てばいい」なんて言えば、すかさず「もってのほかだ」と言われてしまうんでしょうけど。
 でも、少し考え方を水平に延ばしていけば、そういう意見もありだなと思うはずなんです。

運営者 外国では、軍隊が生産ラインを持って作っているものにはどのようなものが多いんですか?

芦川  例えば、米国なら陸軍の兵器廠に、ミサイル関連全般の企画・開発を一手に行っているものがあったりしますね。これには高度の秘密保持も必要ですし、永続して専門家を抱えて研究開発を行っていく必要もあるので当然と言えば当然です。これにメーカーが参画する形をとります。
 逆に安いものとか、誰でも作れるようなもの、例えば小銃とか弾薬、服などについては民間に出しちゃってますね。「色を変えて外で売ってもいいよ」と許可をしたりして。こんなことは自衛隊には一切ないですね。基本的にはメーカーなしでは無理です。

運営者 そうすると、日本でも何かひとつ生産ラインを作ってみなければ、今後どうすればよいかという判断はつけにくいでしょうね。

芦川  そうするとここでキーワードとして出てくるのが、工廠をつくるべきだということです。

運営者 昔の軍は持っていたじゃないですか。

芦川  それはまた別の理由があって、当時は軍が最新の技術を持っていて、それを民間では簡単にものにすることができなかったから自前でやってたんですね。今は時代が変わって、民間の方が進んでいることはいくらでもあります。特に基礎研究の分野では、軍のニーズとはかけ離れたところですごい開発をしていますよね。
 だからいまは、民間、つまりメーカーからの提案をうまくモノにしつつ、軍がそれを吸い上げるような施策が必要かもしれません。そこで軍が研究試作から開発に進むところでメーカー側のリスクを緩和するようにしてあげるわけです。
 具体的に言えば、自衛隊の中にライン施設を中心にした工場を作って、生産や開発に関わる土台の部分は自衛隊が持つ。その代わり、実際の開発や生産に関わるヒューマンリソースはメーカー側から派遣する。そういうところは民間がやればいいし、自衛官をあてるべきじゃないですね。そして全体の管理は自衛隊が行い、情報保全をしっかりとする。こういう風に考えれば、生産設備そのものを自衛隊が持つという考えた方もありだと思います。今後は特に装備品が変化するサイクルが早くなるので、余計、それが必要じゃないかと。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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