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「国防」についてプラクティカルに考えてみよう

ジャーナリスト 芦川淳 氏

自衛隊の定員を減らすにしても限度がある

ジャーナリスト
芦川淳 氏 

 

芦川  例えば陸上自衛隊の場合、東京の第1師団のなかには、歩兵連隊、つまり普通科連隊が4つあるんです。第1普通科連隊(練馬)、第31普通科連隊(武山)、第32普通科連隊(大宮)、第34普通科連隊(板妻)です。このなかのひとつの連隊を潰せば容易に定員そのものは削減できます。しかし、指揮単位として3個の連隊司令部しかないようでは一個師団を構成するのに弱いし、有事の際の動員力にも響く。
 そこで仕方がないので、第31普通科連隊を司令部要員だけにしてしまって、後は800人くらいを即応予備自衛官にするという苦肉の策をやったわけです。
 
運営者 涙ぐましいですね。

芦川  結局、もともとビンボーだったところに、いろんなものを削りに削っていった結果、今の状態になっているわけですから。そこからさらに減らそうというわけでそれには限りがあるということです。いま自衛隊で削減しているのは、まず戦車部隊はすごい勢いで減らしています。大砲を撃つ特科もそう。要するにもう他は削れないし、時代の趨勢でないからという理由で、重たい部隊が削減のターゲットになってるんですよ。もう自衛隊では、どう人のやりくりをするかが大きな問題になってますよ。
 
運営者 なるほどー。

芦川  それにね、あまりに司令部の格が低いとか、部隊の人員数が少ないと、アメリカ軍のカウンターパートがなくなっちゃうんです。そうすると、共同作戦能力にすごく障害が出てしまう。それで両軍で大きなセッションを組んだときに、お互いに同じレベルの将官と同じレベルの部隊でないとまずいわけです。「第1師団が行きます」とアメリカに約束したときに、実際やってきた指揮官と人数を見たら、アメリカとしては「嘘つけ!旅団じゃねえか!」という話になりますよね。それじゃまずいですよ。

運営者 東部方面管区で、米軍との共同演習をやったりするんですか。

芦川  図上演習なんかもやりますよ。部隊を指定して米国で都市戦闘訓練をやったり。さすがに即応予備自衛官の部隊はまだやってませんが。
 そんなわけで、人数は足りないんですよ。だから即応部隊というパートタイマーの人が必要なんです。
 今までの予備自衛官は、部隊が出ていったらその留守を守るという感じだったんですが、即応予備自衛官は部隊と一緒に行動するというところが違います。
 だから年間30日間という長い訓練期間が定められていて、経験者でないとなれないわけです。これに対して予備自衛官の訓練期間は年間で2週間以下です。予備自衛官は集合訓練と言って、各駐屯地に呼ばれて訓練を受けるだけなのですが、即応予備自衛官は自分の部隊に行って訓練もきちんと受けることになります。
 
運営者 ふーむ。

芦川  話を整理すると、今から40年くらい前に予備自衛官という制度ができました。退職した自衛官を予備役にして有事の際の力にしようというのがその趣旨です。だけどそれは一緒に戦ってもらうという意味じゃなくて、部隊が出ていった後の基地を守ってもらうという意味合いですよね。
 それで今から5年前に定められたのが即応予備自衛官で、予備自衛官の中から特に若くて辞めてから時間がたっていない、経験がまだ身に付いている人たちをピックアップして、部隊と一緒の仕事をしてもらうということです。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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