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「国防」についてプラクティカルに考えてみよう

ジャーナリスト 芦川淳 氏

「即応予備自衛官」が自衛隊を救う

ジャーナリスト
芦川淳 氏 

 

運営者 もっと言うならばね、『ガリア戦記』を読むと、ローマの1個軍団は、定員が6000人で、補助兵や補給なんかも入れると1万人になるわけですよ。カエサルは補充をしないから、だんだん減っていくんですけど。それで8個軍団とかをカエサルは持っていたわけです。ガリア全体で蜂起が起こったとしても、それをローマ街道を通って速やかに部隊を移動させてすべて制圧しに行くことができたんですよ。その機動力が2000年前にあったんですけどね。

芦川  あの時代は、補給が楽でしたからね。今の軍隊だと、1万人兵隊がいたら、だいたい6000人から7000人が補給部隊ですよ。戦闘員は3000人くらいしかいません。そのくらい補給を続けるのは重要で難しいということです。

運営者 おっしゃるとおり、ローマ軍団の主力は重装歩兵ですからね。今みたいに火器がないし。ところで自衛隊にも、補助兵というか予備役があるんですよね。

芦川  予備自衛官というんですが、予備自衛官には3つあって、即応予備自衛官、普通の予備自衛官、予備自衛官補があるんです。違いとしては、予備自衛官補が見習い、予備自衛官がイザというときの助っ人、そして即応予備自衛官は所属する部隊がある本当の意味でのパートタイムソルジャー。そう考えてください。

運営者 なるほど。

芦川  例えば、関東地方だと第31普通科連隊というのがあります。神奈川の横須賀にあるんですけれど、ここは即応予備自衛官が集まっています。どういう仕組みになっているかというと、司令部要員が常備自衛官で、その下の各中隊、だいたい4、5個中隊くらいあるんですけれど、ここは本部以外はほとんどが即応予備自衛官なんです。全体の8割ぐらいは即応予備自衛官なんじゃないかな。

運営者 もうひとつわからないのはですね、20万人という自衛隊の定員は妥当なのかということですよ。
 世間の人たちはね、「自衛隊は20万人必要と言っているが、まあせいぜい10万人ぐらいいればいいんじゃないのかなぁ」くらいに思っているわけであって、1万人や2万人足りないというのはすごく瑣末なことのような印象を受けると思うんですけれど。

芦川  それはね、軍の構成がわかってない人が多いからだと思いますよ。どのくらいの指揮権にどのくらいの兵士が必要かという最低限のものがあるんです。
 この問題については、自衛隊の部隊を見直す必要があるんです。
 陸上自衛隊の最小単位って、何人か知ってます。2人組なんですよ。その次に、指揮官と副官と4つの組の10人で班ができます。それが集まって30人くらいの小隊になります。その小隊が集まって約150人くらいの中隊ができます。これは小隊の集まりに、中隊本部がついたものです。この中隊は基本部隊のひとつであって、よく「飯を炊ける部隊」と言われるんです。つまり最低限ひとつの単位として動けるのが中隊だということです。

運営者 古代ローマでいうと、百人隊(century)のようなものだな。

芦川  となると、どこかに部隊を置くとすると必ず中隊以上が基本となるってことです。末端の戦闘部隊とかは別として、小隊だけ置くということはありえない。それで、中隊以上の部隊がいくつか集れば、それだけで何百人になっちゃうんです。
それと同じように、各県とか各方面・各管区を防衛するとなると、どうしてもその地域を守るための最低基準的な人員って決まってきちゃうってわけです。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。