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「国防」についてプラクティカルに考えてみよう

ジャーナリスト 芦川淳 氏

自衛隊の活動方針を決める「防衛基本法」を制定せよ

ジャーナリスト
芦川淳 氏 

 

芦川  もうひとつ国家について考えなければならない問題は、自衛隊そのものの改造ですね。自衛隊の位置付けをいったいどうするのかということです。
 たとえば教育についてであれば、教育基本法があって、日本の教育はこういうふうにしましょうよという方向性が書かれていますよね。だけど自衛隊にはそういう方針がないんです。自衛隊法なんかは、行政上どうやって自衛隊を設けるかということが書かれているわけで。

運営者 設置法ですね。

芦川  そう考えると、憲法と自衛隊法の間をつなぐもの、これを整備しなければならないのではないでしょうか。その整備ができたうえで初めて、国防省をつくるべきなんです。国防省は、内閣府から離れて一個の省庁として動くことが必要だと思います。予算権限も全て含めての話です。

運営者 うーん。なんか「国防省」にするか「防衛国際平和省」にするか、名前で揉めてますよね。でもね、自衛隊の最高指揮官は総理大臣なんだから、内閣府の外局でもおかしくなさそうな感じがしますけどね。

芦川  それはね、外務省との闘いがあるんですよ。外交としての機能は、もちろん必要です。だけど日本としては、外国からの干渉をはねのける必要があるわけですから、外務省と並んで一緒に戦える省庁が必要なのではないでしょうか。

運営者 とはいえ現状では、外務省自体が官邸に押さえつけられている状況にありますから、今の状況だったら内閣府の中にあっても同じかなという感じはしますけど。ただ当然いつまでも小泉政権が続くわけではありませんから。

芦川  いずれ基本法の整備と、それに呼応した形での国防省をつくる必要があるでしょう。ただ国防省を作るときは、その行政機能をきっちり精査してみると、結局、国防大臣は行政に責任を負うだけなんだと思いますね。行政についての総理大臣の補佐をするということでしょう。軍事についての補佐は、統合幕僚長がやることになるでしょうね。

運営者 今度出来る統合幕僚監部についてお話しいただけますか。

芦川  平成18年の3月末に統合幕僚監部が生まれます。そこで何が起きるかというと、今まで陸海空の自衛隊がそれぞれ個別に幕僚長というトップを持ちながらやっていたわけですが、それを一元的にまとめた運用をすることができるようになります。陸海空の各幕にある防衛部には運用課というのがありまして、この運用課というのは言葉のあやで、実際には作戦指揮課なんですよ。統合幕僚会議から統合幕僚監部に改編されるときには、その3自衛隊の作戦指揮関連部署が統合幕僚監部にがっちり合体して、いわば3本の矢を束ねた形で動けるようになるわけです。

運営者 となると、実際の部隊の動きはどのようになるんですか?

芦川  これまでは3自衛隊が各幕僚長の監督で個別に動いてましたけど、これからは陸海空の混成部隊を一人の指揮官が指揮できるようになりますね。例えば、航空自衛隊の司令官の指揮下に、海自のMDイージス艦部隊と空自のPAC3部隊が入るという感じです。こういうのって、大規模災害が発生したとき、リソースを最大活用するのにかなり役立ちますね。トップに首相だの長官がいても、実際に動く現場がバラバラじゃあってことです。

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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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