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「国防」についてプラクティカルに考えてみよう

ジャーナリスト 芦川淳 氏

基地を巡る地方自治体首長のややこしい立場

ジャーナリスト
芦川淳 氏 

運営者 ところがそういう考え方をしない人たちもいて、「自分たちが戦力を持たない場合には、攻撃を受けた時に相手が戦犯として裁かれる」というジュネーブ条約を根拠にしてそうした考え方を唱え、実際に無防備宣言をすすめる運動をやっている人たちもいますけどね(笑)。

芦川  あれは、完全に戦闘が行われていない場合で、かつ無政府状態の時に限るといったいろいろな条件がついての話なんです。それにジュネーブ条約自体も、あくまでも「こうしましょうね」というレベルのものであって、それを金科玉条としてあがめ奉るのはおかしな話ですよ。

運営者 そういう人たちは、憲法第9条とかも金科玉条にするのが大好きなんですよ(笑)。

芦川  それは守ることが推奨されるべきものではありますが、自分の命が危険にさらされたときに、金科玉条を守るというのはできないですよ。
 無防備宣言の話は、今の日本国憲法下での政府・立法府と各自治体の関係においては、自治体が勝手に宣言できる話ではありません。それは憲法や国民保護法・武力攻撃事態対処法の条文を読めば分かることですよ。

運営者 彼らは、「地方自治の理念から行くとそれはけしからん」と思っているんでしょうね。

芦川  だとすると、それをひっくり返して言えば、地方自治体は軍に責任を持てるのかという話になりますよ。それができる覚悟はあるんですかね。

運営者 覚悟については知りませんが、法律に書いてないことをされると困るんですけれど(笑)。

芦川  地方自治体の首長は、軍事に対する責任は持てませんから。自衛隊との関係は持てないんです。災害派遣に関してのみ出動を要請することはできますけど。
 だけど軍事的なことに関しては地方自治体の首長は一切関係ないんです。

運営者 そうすると、米軍基地の移設とか、原子力空母の新配備などについても反対する権限はないということですね。

芦川  基本的には関与できないんですね。自治体の役目ではないんです。
 ただし、そこに住民が住んでいるわけですから、住民との関係は良好にしておかないと、これまでの砂川闘争のような状況をまねいても仕方がないので、おだやかにいきましょうということですよ。
 それと、自衛隊にしても米軍にしても、地方自治体にとっての最大の焦点は、いくらお金が落ちてくるのかということなんです。

運営者 沖縄は基地経済ですからね。

芦川  となると、結局基地が来てくれると嬉しいのですよ。ただそれを言っちゃあいけないんです。誰かがそれを言わなきゃいけないから、僕がこうしていうんですけれど・・・。



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これはあくまで呑み話をまとめたものです。

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