ラチェレータ:ワインのプロなら一度は見よ
「天才の国」イタリア自然派ワインの真実



ラチェレータ:ワインのプロなら一度は見よ


川村武彦氏+山田恭路 氏

山田  その姿勢は高く買えるよね。協同組合はそれまで安いブドウをたくさん買っていたので、農家も良いブドウを作るよりは、量をたくさん作るように考えていました。それじゃダメなわけで。

TAKEカワムラ カンティーナ・ヴェノーザの場合は考え方をまったく変えたんです。

山田  そういうところが日本の小売店の救世主になる。協同組合のワインは値段が安いですから。

TAKEカワムラ 同じ質のワインの3分の1くらいですね。

山田  アリアニコは、アルコールが強くて色が濃いというイメージがあったけど、ここのワインはすごくエレガント。農協の悪いイメージをひっくり返したワインだ。
ラチェレータ:ワインのプロなら一度は見よ
TAKEカワムラ スーパー農協。イタリアの自然環境があれば、おいしいブドウは比較的簡単にできるんです。だから問題は、みんないかにして考え方を変えるかのほうなんです。
 協同組合の人たちはみんなデスクワークをしている人たちですけど、組合を代表して物を売る立場の人たちですから、普通にブドウを作ってる人と同じで、決して焦りません。土地を持ってる人はそんなに焦らないんです。「売れなかったら売れなくてもいいから、日本で試飲会をした時のコメントだけでも教えてくれよ。もちろんうまくいったら嬉しいけれど」という感じです。おおらかで付き合いやすい人たちでした。

山田  小売店からみると、さっきのチェファリッキオは商品の根っこのところを見るのにいいんだけど、カンティーナ・ヴェノーザの方は「うまくて安いワインには理由がある」わけで、それをお客さんにうまく伝えなきゃいけないということを教えてくれる蔵元だよね。理由をちゃんと説明しないとお客さんは納得しませんから。
 それからイタリア半島の真ん中あたりに移動して、トスカーナ州 マレンマのラチェレータという蔵元に行きました。ここはまたすごい。これまで僕は有機やビオディナミというのはブドウを育てるための方法論だと思っていたんだけど、その考え方を木っ端微塵に粉砕してくれたところです。
 ワインを流通させる人間であれば、一度は行ってみなければならない蔵元と言うことができるでしょう。

TAKEカワムラ こういうことをしている人がいるんだということを、より多くの日本人に知ってもらいたいと思いますね。
 オーナーのダニエレ・マッザンティは30年以上農園をやってきて、「どうすればこのマレンマの自然を次の世代に伝えることができるか。どうすればより自然に近い形で残すことができるか」をひたすら考えました。考えて考え抜いた末に、「ビオディナミが今考えられる最高の方法だ」ということに気づいたんです。
 ここの農園には、自然の相がすべて入っています。森林があって山があって川があって海にも近い。農地があって農作物があって、あらゆる動物がいて。なぜそうするかというと、本来その土地はそういう状態にあったはずだからです。だからそれに戻したい。そうすることによってそこで育つあらゆる作物や動物がより強くなるんです。

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