覚醒したスーパー農協:カンティーナ・ヴェノーザ
「天才の国」イタリア自然派ワインの真実



覚醒したスーパー農協:カンティーナ・ヴェノーザ


川村武彦氏+山田恭路 氏

山田  特にこのチェファリッキオのシャルドネ。良いシャルドネかどうか比較するためには、フランスのモンラッシェと比較することが多いんだけど、十分対抗はできるとして、でも味のラインとしてはフランスとは違って、ここのオリジナルの味になっているよね。ワインとしての完成度はむちゃくちゃ高い。そして「こんなシャルドネ飲んだことない」という味になっている。
 売り手の側にしても、「シャルドネ」というなじみのある名前がついているのはいいし、他では飲めない味というのも悪くないでしょう。

TAKEカワムラ どんなワインにも共通しますが、その地域の土地の特徴が前面に出るシャルドネというものがあるんです。それを目指しているわけであって、フランスのどこかのシャルドネを目指すということはあり得ません。
覚醒したスーパー農協:カンティーナ・ヴェノーザ
山田  イタリアでも一時期は、ボルゲリのサッシカイアのような、世界的な標準を目指したことがあったんだけど、今はそうではなくなっています。

TAKEカワムラ その地域の土地の特徴が前面に出たワインを造る、それがイタリアのキーワードだと思いますよ。

山田  とにかく試飲会でもここの評判は高いです。それから赤ワインはインターナショナル品種ではなく地の品種を使っていますが、風味からしてまったくこれまで経験のないものです。だからといって抵抗感があるわけでなく・・・。

TAKEカワムラ 普通においしい。よくできたワイン、ある意味よく考えて造ったワインだと思うんです。世界の基準から外れているわけではなく、しかしその基準を追うのではなく自分たちの特徴を前面に出しながらブドウの良さをしっかり出している。

山田  自然派ワインの特徴は土地の良さを出すことだから、その意味ではここの土地が「ウケる土地」だったのかもしれないね。

TAKEカワムラ プーリアの隣にあるバジリカータ州のカンティーナ・ヴェノーザという協同組合を訪ねました。アッピア街路沿いに建っています。
 20年くらい前までは、他のイタリアのワイナリーで使用されるブレンドワインを作っていました。味が強くて非常にタンニンが多くてアルコール度数が高いので、少量だけまぜればワインがおいしくなるんです。だから他の地域ではまずいワインに混ぜていたわけです。
 元がいいわけですから、彼らも「じゃあ自分たちでワインをつくろうよ」と考えて造り始めたのです。

山田  ちょっと気がつくのが遅いだろうという気もするけどね。

TAKEカワムラ それはイタリアの産地はどこでもそうなんですよ。フランスのワイナリーはマーケティングがうまいけど、イタリアはピエモンテの蔵元だって25年くらい前までは桶売りワインを造ってたんですから。
 ましてやイタリアの南部は、大土地所有制はなくなったけれど、土地が小さいですからいくら良いブドウを作ったって、自家消費する以上のワインなんかできないわけです。だから協同組合をつくってワインを造るんです。まずブドウを量で買うのではなく、質の良いブドウを買うようにしました。そして良い醸造装置を買って、質の高いワインの造り始めました。それがカンティーナ・ヴェノーザです。

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