こんなムチャクチャなワインを日本に伝えたい  
自然派ワインに首ったけ  山田恭路 氏

こんなムチャクチャなワインを日本に伝えたい  [自然派ワインに首ったけ]

BMO株式会社
山田恭路 氏

山田  だけどもぼくの場合、他のワイン専門家の人とちょっと違ったのは、仕事の半分はワインの販売コンサルティングをやっているということがあるからね。

運営者 そうそう、読んでる人にはわからないかもしれないので補足すると、彼のやっているBMOというのは、小売店、スーパーマーケットや酒販業者にワインや酒・食品の売場のつくり方や、今までにない売り方をコンサルティングする会社ですからね。

山田  もしぼくがただのワイン愛好家だったら、そういう本当においしいワインを買い集めるという方向に進んでいったと思うんだよ。だけどぼくはその時どう思ったかというと、「このワインを日本に持っていったら、みんなどう反応するだろう?」と考えたわけ。そして実験してみようと。
 だって、「半年前からワイン売場の担当になりました」というような人をそういうワイナリーに連れて行っても、やっぱり金づちで頭をたたかれてますからね。そして3日目ぐらいになると、「早く日本に帰りたい」と言い始めるんだよ。

こんなムチャクチャなワインを日本に伝えたい運営者 ホームシックになっちゃったの?

山田  そうじゃなくて、「早くこれを売りたい」と。誰かに自分で見たものを伝えたくてしょうがなくなるんだよ。
 それを見ていると、この世界のワインは、本当に市場性があるなあと思う。大げさに言うと人の魂をゆさぶるところがあるね。そしてぼくのほうは、このジャンルはどういうふうに話が伝わるかというリサーチを始めたんだ。

運営者 そういうのはヤマキョーの専門分野じゃないか。

山田  そうなんだけれど、ワインというのはなかなか小売店の人がお客さんに伝えにくい商品なんだよ。
 スーパーでいうと、店員ですらなかなか売場に行かない。どうしてかと言うと、お客さんに中身のことを尋ねられるのが怖いからなんだね。だから一番売りにくい商品なんだけど、その売りにくい商品の売り方を開発すれば、何にでも応用が利くというところもある。

運営者 そりゃそうだ。

山田  だから、ぼくの動機は「このワインのよさをどのようにして人に伝えるか」というところから出発して、普通のコンサルタントであれば「売り手の喜びのために」とか言っているわけだけど、ぼくの方はもう少し不純で、売り手買い手の喜びと同時に、こういうムチャクチャなワインをどうやったら日本に伝えられるかというのを模索してきたわけ。

運営者 だけどそれは相当むつかしい話だよ。飲んだらわかるかもしれないけれど、試飲はコストがかかるわけで、それをやらずにすでにブランドが確立しているほかのワインをやっつけなきゃいけないわけで、これ大変だよ。

山田  大変なんだけれど、これが面白いんだよね。簡単にそういうブランドをひっくり返すことができるよ。
 だからそういうワインを日本に伝えたいわけだけど、そのためにはこの店にあるようなオープン型のワインセラーとか、そういった仕掛け、新しい売り方が必要になってくると思うんだ。
 そこでこの店を開店して、実証しようと考えたわけ。

運営者 ワイン界の変化のベクトルがよくわかりました。要するに、自然農法ワインのことを知りたければ、ここ3amours(トロワザムール)に来ればいいということね。
 ぼくもときどき寄せさせてもらうことにしようっと。



 (この項終わり)

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自然派ワインに首ったけ 山田恭路 氏

自然派ワインに首ったけ 山田恭路 氏