ワインは土地にある「気」を媒介するもの  
自然派ワインに首ったけ  山田恭路 氏

ワインは土地にある「気」を媒介するもの  [自然派ワインに首ったけ]

BMO株式会社
山田恭路 氏

山田  それと、アムール=愛だよ。
 何への愛情かというと、生産者の持っているブドウとワインに対する愛情、それとわれわれもワインに対する愛情を生産者にフィードバックしたい。
 もうひとつはワインを売ったり、サービスをしたりする人に対する愛情。売ってる側だって、本当に自分が惚れ込めるワインの方が絶対に楽しいわけであって。
 そして一番大事なのが、飲む人のこと。飲み手には、やっぱり幸せなワイン生活をおくっていただきたい。消費者の側も、今までこういう本物のワインを飲んだことがない人が多いから、こういうワインを飲むと、まったく別のワイン人生を知ってしまうわけですよ。

運営者 「私が今まで飲んでいたのは一体なんだったんだ?」と。言い方は悪いけれど、私が飲んでいたのは偽ワインだったということか。
 この店に来て、そういう話が聞けると思わなかったよ。

ワインは土地にある「気」を媒介するもの山田  偽ワインということはないよ。しかし、なぜそういうことを言ってるかというと、ぼくもまったく同じ道をたどったからなんだよね。
 今までわれわれが飲んでいたワインは、たかだかこの30年間に造られたワインなんだよ。だけどその前の何千年はどうだったのかと考えれば、真実はそこに隠れているということ。

運営者 うーん、説得力あるなあ。

山田  ワインは、そのブドウが取れた土地にある気を媒介するものなんだ。その伝達役になってくれるのが酵母。土の中にあるミネラル分がついて発酵するからね。そして酵母は消化を助けるから、自然酵母でできたワインはとても消化がいいということもあるんだよ。そういうワインを飲み始めた人は、みんな離れられなくなっちゃうね。
 ぼくはワイン学校でずっと講師をやっていたでしょ。その頃好きだったワインや、その頃教えていた内容と比べると、今はもう全然違う感じになっているね。

運営者 ぼくも君からいろいろ教わったけど、そういうことになっちゃうわけね。

山田  グロロ・ペティアンの「グロロ」というのはブドウ品種の名前。これはワイン学校なんかでは習わない種類だね。聞いたことないでしょう。

運営者 うーん、そんな品種のブドウ聞いたことないなあ。

山田  ロゼ・ダンジュは、アンジュ地方のロゼという意味なんだけど、グロロという品種は「ロゼ・ダンジュを造っているしょうもない五流ブドウ」と言われてたんだよ。ロゼ・ダンジュは仕方がないので甘みを残して甘ったるいワインにしていたんだけど、オリヴィエ・クザンはそのブドウの味を引き出しているんだ。

運営者 ペティアンというのは?

山田  ペティアンは、泡の度合いのこと。微発泡なんだけど、シャンパンの泡よりは弱いという感じだね。
 ドンベリも、モエ・シャンドンも、シャンパンというのは、造ったワインの中に、もう一度酵母と砂糖を入れて再度発酵させて泡を造ってるんだ。だけどこのワインはそれをやらずに、一次発酵の泡をそのまま詰めてあるだけ。何も入っていない。ブドウしか入っていないということ。

運営者 だから甘みが自然なんだ。

b.pnga.png

自然派ワインに首ったけ 山田恭路 氏

自然派ワインに首ったけ 山田恭路 氏