看板ワインを「いただきまーす!」  
自然派ワインに首ったけ  山田恭路 氏

看板ワインを「いただきまーす!」  [自然派ワインに首ったけ]

BMO株式会社
山田恭路 氏

山田  日本のワインで、無添加表示のものはいっぱいあるんだけど、そっちのほうはほとんどワインを煮るか強烈にろ過するからね。
 ワインは基本的に酸化防止剤がないと造れない。消費者にも誤解があって、それは別に適正に入れるだけであれば問題ないんだけれど、無添加にこだわってワインを煮沸してしまったのでは、ブドウ本来のみずみずしさが残るかというと、残るわけないからね。

運営者 そりゃそうだわな。
 このワインなんて、98年なのに2000円程度というのはずいぶんお得感があるね。こっちには96年で3000円というのもあるし。

山田  店に来たソムリエさんが、「何でこんなワインがあるんですか?」と驚いて、あわてて買っていくというのがパターンだよ。
 そしてこれが、うちの看板ワイン、オリヴィエ・クザン。造り手の名前が、そのままワインの銘柄になっている。
 ワインの名前は、グロロ・ペティアンと言うんだ。ちょっと飲んでみてよ。

看板ワインを「いただきまーす!」運営者 では、看板ワインをいただきまーす。
 ・・・これは。なんて言うのかなぁ。
 すごくさっぱり感がありますよ。抜ける感じがあるというか。酒を飲んでいるという感じがしないよね。

山田  未体験ゾーンでしょう。ワイン業界の人やプロのソムリエが飲んでも驚いて、「これは何?」と言われるよ。ワイン愛好家だけじゃなくて、プロが驚くワインだね。
 炭酸は、味をごまかすので、まずいワインでも炭酸が入っていれば飲めないことはないんだけど、やっぱりまずいと体が受付なくなって、「もういらない」という感じになっちゃう。だけどこのワインの場合は、何も考えずにいつのまにか飲み続けてなくなってしまうというところがある。

運営者 最初はあまり甘みを感じないんだけど、2、3杯飲んでいると自然な甘みが感じられるなぁ。

山田 甘さには、残糖分と果実味があるんだよ。果実味は英語ではリッチとかフルーツとか言うんだけど、このワインの場合は果実のうまみがよく残っているということと、残糖分もちょっとあるね。アルコール発酵させきっていないので、ブドウの糖分が残っている。
 これはね、ブドウの木そのものの生命力なんだ。とても健全にブドウの木が育っているので、うまみがハンパではないんだ。

運営者 このワインはどういうTPOで飲むのかな?

山田  まさに今みたいなTPOだよ。例えば今日みたいに暑い日で何人か集まるんだったら、冷やして飲むのにちょうどいいし。食べ物も何だって合うしね。
 白ワインよりももっとすがすがしさがあるし。
 「薄い=軽い=飲みやすい」ということではないんだよね。タッチは軽くてふわんとしてるんだけど、うまみがすごくあるんだ。
 京都のだし汁、すまし汁を飲むと、薄味だとよく言われるけれど、じゃあ関東の蕎麦つゆを持ってきてお湯を足すと京都のだし汁になるかというと、そうじゃないよね。つまり関西の味はほんとうは薄味ではない、ものすごく濃いんだけれど、砂糖や醤油の使い方が少ないんだよ。でもカツオ節は強烈に使っていて、うまみがものすごくあるわけ。それと同じような感じだね。

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自然派ワインに首ったけ 山田恭路 氏