さる名門女子大における
恋愛論講義録その3


 「私はこの人が好きだわ」と考えていると、「相手も自分のことが好きだし自分のことを悪く思うはないだろ」うと思い込んでしまうわけです。
 だけどそれは間違っていますよね。どうしてかというと、あなたと男の人は、別の人間だからなんです。
 ここのところをみんな勘違いしているのが、そもそもの不幸の始まりなわけです。

恋愛論講義録その3

 要するに、自分と相手の接触はどのようにして行われているかというと、自分の心と身体、相手のからだと心との関係を考え直す必要があります。
 自分が直接に相手の心を見ることができるわけではありませんよね。自分の目で、相手の人の身体を見ることしかできないわけですけど、本当に必要なのは相手の外見の奥底にある心を知ることなのです。それを意識せずに、相手の表面でしかない身体しか見ていないのでは、これはコミュニケーションになっていないわけですよ。
 ここが不幸の出発点なので、とりあえず今日ひとつだけ覚えて帰っていただきたいことは、彼氏にしたい男がいると思ったら、その人の心の中まで見通すようにしてください。

 そして「この人は本当は自分のことをどう思っているんだろうか、今どういうふうに考えているんだろうか、いま何を感じて、何をしたいと思っているんだろうか」ということを、相手の表情や発言から類推していただきたい。そういう手がかりから一所懸命考えれば、相手がいま何をしたいと思っているかはだいたい想像がつきますから。
 どうして想像がつくかというと、人間がやることって決まってるんですよ。朝起きてから寝るまでにすることというのは、食べて寝て云々ということしかないですから。だから、相手の心というのは、読めるわけですよ。

○○先生 ほんとかな。

 ほんとですよ。
 例えばね、僕は○○先生に比べると、英語はすごく下手です。皆さんの方ができるかもしれない。だけど、僕がヨーロッパ行ってデジカメをかついでぶらぶらしていると、旅行していてあまり困ることってないですよね。みなさんも行ったらわかりますよ。
 ヨーロッパの人は、僕がそうやって歩いているのを見ると、「なーんだ、中国人か韓国人が来たな」と思うわけです。それで僕がレストランに入ったら、「コイツは絶対に飯を食べたいんだな」とわかりますし、代理店のカウンターに行けばホテルを探しているか汽車に乗りたいかだろうし、街を歩いていいきなり声をかけられたら「道に迷っているんだな」と相手は想像しますよね。決して私が市役所に行って住民票の写しを取りたいと思ってるとは考えないでしょう。そういうふうにその時のシチュエーションで相手がやりたいことは限られているわけだから、相手をよく観察すれば相手の気持ちを読むことはできるわけです。

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