TPOの概念は必要



飯坂  話を日本に戻すとね、岡本さんが旅行してる間に六本木ヒルズの回転ドアに挟まれて子供が死んだという事故があったんですよ。

運営者 ニュースサイトで見ましたよ。

飯坂  それは「六本木ヒルズのようなところに子供を連れてくる方が悪い」という考え方もできますよね。

アメリゴ・ブェスプッチアメリゴ・ブェスプッチ運営者 「ホテルにはネクタイを締めていかなければならない」と考えているかどうかの問題ですよ。最近じゃ帝国ホテルのロビーでも、変な格好でうろうろしてるのがいますからね。
 それでいくと、オペラ座なんていうのはホントにみんなドレスアップしてきてますよ。さすがの私も、ちゃんとジャケット着て、無理してネクタイを締めるところは締めていってるわけです。

飯坂  別に天井桟敷だったらいいんじゃないですか。

運営者 それがそうとも限らないんですよ。今回は私はほとんど手に入る一番いい席を確保していたからわからないんですけど、スカラ座だと天井桟敷でも地元の人はドレスアップしてきてますよ。
 そこはもう、舞台の上である価値が生まれる空間なんですよね。その価値観をみんなで共有してるということなんだと思うんです。その価値に見合った格好をしていくということなんでしょうね。
 あと、社交場という意味合いもあるかもしれない。だから西欧では競馬場でもドレスアップしてますよね。聞いたら、アスコットに行くのに、あの格好で地下鉄に乗ってるんだそうですよ(笑)。

飯坂  客の水準も、世界最高水準なんだろうね。

運営者 だから、自分の受け止め方と比べて、客のウケ方が面白いですよ。カーテンコールで自分と同じところで盛り上がっていると「反応がいいな」と思うし、その逆に、「こういうのいいんだ」とか、「こんなので喜んでいるんだ」とか思うこともあるし。客の反応も、オペラの楽しみのひとつですよ。

飯坂  なるほどね。身分制度というのはなくした方がいいんだろうけれど、少なくともTPOの概念というのは必要ですよ。そもそもオペラ座に行くときはどんな格好していかなきゃならないのかというのは、身分概念とかなり密接なつながりがあるのだろうから。

運営者 まあ僕なんかは、日本人ですから、多少は割り引いてもらえるんじゃないかと思うんですけれど、でもそういうドイツのわけのわからないオペラを聞きにきているような他の日本人は、ちゃんとドレスアップしていましたから、それは非常に感心しましたね。ヘンな格好してきてるやつはいなかったですよ。
 特に女性です。女性はああいうところだと、どんなに飾ってもいいですからね。満艦飾で来てる人もいますよ(笑)。

飯坂  それはそれでまた・・・。 

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