台灣好好 日本よりも日本らしく 28

旅行土産話仲間 飯坂彰啓

「自主独立の気概」と「帝国主義」は違うもの



飯坂  あんな巨大な国が存在しているということ自体が問題を引き起こしています。

運営者 しかもその巨大な国がジャイアニズムだし。しかし、巨大であるがゆえに中国は内部に大きな問題を内包しています。その問題を表面化させないように北京政府は努力しているのですが、われわれはそこを焚きつけることができるでしょう。

 とはいえ、「北京政府は生かさず殺さず」が正解ですよ。中国が本物の資本主義国になったらたまりませんからね。われわれとしてはいまの共産党支配のほうが都合がいい。中国が強力な資本主義勢力にならないように、対外的に暴発しないように、うまくコントロールする必要があります。

 それについて最も有効な武器を持っているのは、実は台湾である。明石元二郎がロシアの革命勢力を焚きつけることによってツァーリの勢力を削ぐことに成功したというひそみにならえば、われわれは、台湾政府に側面的な援助を与えるというのもひとつの方法かもしれませんね。

「自主独立の気概」と「帝国主義」は違うもの

 また台湾には、日本よりも日本らしい部分があります。台湾は世界第2位のパソコン生産国だし。

飯坂  心臓部のマザーボードでは世界一です。

運営者 その台湾が先進国であるゆえんが、日本の明治時代の精神を受け継いでいるかどうかは、僕にははっきりとはわかりません。だけど僕は蕭さんに会って、明治時代の日本人の偉大さを感じましたね。

飯坂  ビジョンが雄大だったんだろうね。

運営者 東北に電気のない時代に台湾に電灯を灯し、自国に石造りの国会議事堂がまだ建たないうちに立派な台湾総督府をつくるくらいの入れ込みをやったからなのかなぁ。
 ジャンボジェット機のある今とは違って、明治の人なんか、世界を自分自身の目で見ることなんかできなかったわけじゃないですか。遣欧使節団に行った人や、官費留学した人、三井三菱の社員以外は。なのにどうしてそんな偉大なことを成し遂げられたのかなぁ。

飯坂  それはまあ、自主独立するという明確な気概があったからでしょう。

運営者 ちょっと司馬史観的で嫌なんだけど、でもそうだろうとしか解釈できないですよね。

飯坂  今はアメリカのジュニアパートナーみたいになっているからよくわかりにくいけど。
 それに右や左の人は自主独立で世界のことを語るなんて考えてないじゃないですか。

運営者 右派はアメリカにくっついていればいいと考えているし、左派は中国の靴をなめていればいいと思っていますからね。どっちも売国です。

飯坂  自主独立というと「帝国主義者」と言われてしまいますからね。

運営者 あの時代に日本が帝国主義政策をとったのは、日本人の心根に飽くなき対外侵略を希求するどす黒い野望があったからではなくて、単なる環境への適応だったんだと思いますよ。
 だってヨーロッパやアメリカの諸国は本気でアジアを植民地化しようとしてたんだから。事実、中国は半分そうなっていたし、フィリピンもインドシナも植民地化されて、朝鮮だって巨文島をイギリスに占拠されている。その侵略の意志は明確で、日本も対抗上、対外拡大主義政策を取らざるを得なかったんです。その時代背景を考えずに、今の価値観から過去の日本人を処断するのはナンセンスです。もし、「列強のアジア進出がなくとも日本はアジアの国々を侵略したであろう」と言う人がいるなら、その根拠を示してほしいですよ。

 そういう意味では帝国主義のなにが悪いと思います。むしろ自主独立の気概をなくすことの方が、強い者におもねることで創造力を鈍磨させる、恐ろしい姿勢だと思いますけどね。

 (この項終わり)

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