台灣好好 日本よりも日本らしく 16

旅行土産話仲間 飯坂彰啓

海峡を挟んだスパイ合戦




運営者 こういう経緯を考えると誰にも台湾の所有権はないし、他国にはないんですよと、この本省人のおじいさんは主張しているんです。

飯坂  国民党のものでもないわけ?

運営者 だって、国民党ってなんですか? 中国ですか?

飯坂  中国だったのかなぁ・・・。国民党軍があったのは確かだけど。そうすると軍閥の大きいやつとして考えたほうがしっくりくるのかな。

運営者 国民党の正統性は揺らいでますよね。だって少なくとも07年の台湾の現政権は民進党(民主進歩党)なんだから。国民党って何?ってことですよ。どうやら国民党=中華民国という考え方は間違っているらしいですよ。だけど1990年くらいまでは皆そう思ってましたね。民進党ができたのは86年なんだから。

飯坂  だから、ひとつの中国というのはやっぱりイデオロギーであって、厳密にはやっぱり2つの中国なんでしょうね。政権交代が起こるまでは、国民党軍支配地域という解釈でもいけたかもしれないけど。

運営者 でも、彼らにとってはそんなに簡単な話じゃないですよ。台湾にとってもそうだし、北京政府にとってみればもっとも強力な反体制勢力なわけですから。

飯坂  台湾には金があるからね。

運営者 もっとわれわれにとって大切なのは、台湾は人民解放軍や政府の高官にスパイを大量に放っているんです。われわれは中国をスパイできないじゃないですか。だけど台湾はやってるんだから。
 その代わり中国は、台湾を政治的経済的に分断しようと、これまた大変な工作をしているわけです。スパイは数千人単位で入っているし、親中国派の形成にコストをかけている。国民党内部にも浸透して、「中国と対等合併しよう」なんて主張する統一派勢力を増やそうとしてる。台湾の空軍は外省人が多くて、作戦会議をやると情報が中国に筒抜けなんだそうですよ。だから機密漏洩を防ぐために作戦会議を2つやっているなんて話もあります。
 庶民向けには大陸ツアーが大人気ですし。経済界は、「北京とはにぎっているから大丈夫」と言ってますが、国民党はそう言いますよ。そんなのどこまで信用できるんだか・・・、経済以外の要因で状況はかんたんに変わりますよ。でも日本企業はそう信じなきゃ怖くて投資できないしね。

飯坂  対等合併なんていっても、中華人民共和国が完全に民主化されて、共産党と国民党が二大政党になって政権交代が起こりうる。人民解放軍も文民統制されて、政権交代が起こったら国民党政権の指揮に服する、なんてありえないものね。

運営者 「メンツを立てるから」という中国側の釣り方なんですよ。でもそれにひっかかってる人も少なくない。
 まあ、そういうデリケートな話は置いておいて、それでここから話は、総督府から300メートルくらい離れたところにある二二八記念館に移ります。
二二八記念館二二八記念館 その蕭さんは、ここでもボランティアの解説員をやってるんですよ。それで「僕は総督府から二二八記念館に行きます」と言ったら、案内してあげると言われて、マンツーマンで案内してもらいました。
 82歳のじいさんが、5時間立ち通しで話してるんですよ。

飯坂  鍛え方が違いますな。

運営者 違いますね。やっぱり台湾志願兵に選抜されて4年間ビルマ戦線で生き残ったような人は、かなりのつわものですよ。わたしなんか、たぶん82歳まで生きられませんから。
 それで二二八記念館というのは、当時日本が作った台北の放送局の建物なんです。たいそう立派な建物ですよ、これ。


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