台灣好好 日本よりも日本らしく 10

旅行土産話仲間 飯坂彰啓

総督府で見た「天皇制は生きていた」


運営者 さて、そこでですね、日本は台湾を統治するために総督府を置くわけですが、日本の総督がいた総督府が現在でも台湾の総統府として使用されています。ここを見に行ってみました。平日の午前中は1階が開放されていまして、入れるんですよ。

総督府 それで中央駅からタクシーに乗って総督府の前で降りたら、警官がいっぱい立っているんです。警官というより軍人ですかね。それで英語が全然通じません。写真をとろうとしたら止められたので、何だろうと思ったら、総統府の前の交通が遮断されて、でっかいリムジンが3台、軍用車に先導されてスーッと正面の車止めに入っていきました。これは陳水扁総統が乗っていたのだと思うのですが、そういうのを写真に撮るなというのは、日本でも言わないと思うんですよ。
 つまりここにも、日本よりも日本的な部分があるわけです。

飯坂  なるほどね。前の選挙の時に襲われたりしてるからかな。

運営者 まあ、いつ中国が総統暗殺のためのテロリストを送ってきてもおかしくない状況にあるということはあるのでしょうが。
 例えばこういうケースがあるんですよ、僕の友達で読売新聞社に勤めている人間がいて、そいつがちょっと気分が悪くなったので社内の医務室に行ってベッドで寝ていたらしいんです。そうしたら大勢やって来る音がして、カーテンをひかれたらしいんです。なんだろうと思ったら、そこにナベツネがやってきたらしいんですね。ナベツネは、社員は見てはいけない存在らしいんです。
 ほら、戦前は天皇というのは恐れ多くて見てはならないような存在だったじゃないですか。その感覚が残っているわけです。

飯坂  すごいねー。そうか、昭和天皇が戦後全国を行幸して回ったのは、天皇の生の姿を見せるということで相当なインパクトがあったんでしょうね。

運営者 日本人の意識を変えるには、革命的なインパクトがあったみたいですよ。天皇が歩いている横で、おばさんが、「天皇陛下はどこかいな?」と手をかざしてキョロキョロしている有名な写真がありましたよね。
台湾銀行。総督府周辺には経済民政の中枢機能が集中した。台湾銀行。総督府周辺には経済民政の中枢機能が集中した。 それから、マッカーサーとの会見の写真もそうですよ。あれは撮影した翌日に新聞に載るかなとGHQは思っていたら、各新聞が全社自粛して載せなかったんです。それでGHQは「何やってるんだ!」と新聞社に命令をして、その翌日の朝刊に掲載されたんですから。
 それが人治主義の組織成員の、トップに対する態度なんです。

飯坂  やっぱり天皇は見えないところに置くということなのかな。

運営者 それがわれわれの持っている文化なんです。本物の天皇は人間になりましたが、まだまだ現人神が残っているところがあるということですよ。読売というのはそういうところのようですね。



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