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省エネ+クリーンなエネルギーの開発

手塚宏之 代表取締役名誉相談役

ピクチャ 2.pngバチカン

手塚 そこまでのコンセンサスを得なければならないのであるならば、それは地球温暖化対策を行うことによって自分たちの生活水準が上がるとか、収入が増えるような類いのものでなければならないでしょう。

運営者 そういえば塩野さんが以前、「もし改革をやりたいのであれば、それはすべての人にとって得をするようなやり方でなければならない。誰かが損をする形の改革であれば、改革を行うことは難しい」とおっしゃってましたよ。

手塚 そういうことです。
 それでこのハートウェルペーパーで言っている結論は2つしかなくて、まずひとつは「今ある科学技術を前提としたら、できることは省エネしかない」ということです。
 今の技術では化石燃料よりも安くエネルギーを大量に入手する原子力以外に存在しません、でも原子力には別な環境制約がある。したがって、生活水準を変えずにできることは、省エネしかないんです。
 省エネをすればムダなエネルギーを使わないことによってCO2の削減もできるし、石油や天然ガスを買うために払うべきエネルギーコストも下がります。それであればみんながやりたがりますよね、得するんだから。
 しかもその省エネの世界最先端のレベルにあるのが日本です。だから「オレたちみたいに皆さんも省エネをやればいいじゃないですか」というのが日本の立場です。

運営者 そうですねぇ。

手塚 ただし省エネは所詮、化石燃料の使用をゼロにするものではありません。
 問題は、CO2が地球環境にとって本当に悪影響があるとした場合、あるいは中国やインドのエネルギー消費が伸びて、化石燃料ベースのエネルギーコストが極端に跳ね上がった場合に、それによってみんなの生活を維持できなくなるような事態になるかもしれないということを考えた場合に、今から30年先を見据えて「いかに安くクリーンなエネルギーを作るか」を考える必要があるということです。

運営者 そういう革新的なエネルギー技術を準備しようということですね。

手塚 抜本的、革新的なエネルギー技術の開発をやるべきだと。
 「アポロ計画で科学の粋を集めて人類が月に人を送り込んだのと同じように、全面的に政府がバックアップして革新的なエネルギーの開発を進めるべきだ」というのがハートウェルペーパーの2つ目の結論です。

運営者 雲をつかむような話ですが、とりあえずどこから手をつけたらいいんですか?

手塚 おそらくニュートンやアインシュタイン並の科学的な新原理を発見するくらいの努力をしなければならないだろうね。
 すでに言ったように風力発電や太陽光発電は本当の解決法ではないでしょう。太陽光や風力非常にエントロピーの低い、いわば密度の薄いエネルギーだからね。化石燃料以下のコストにはならんでしょう。
 このあいだノーベル化学賞をもらった北道大学の根岸先生が人工光合成技術を開発するとおっしゃっていますが、今までわれわれが手にしていない工業的な大量生産で光合成ができるようになれば、低エントロピーの太陽エネルギーをカーボンに変える最も効率的なケミカルプロセスは光合成ですから、これはいいかもよ。だけど問題は、光合成がどういうメカニズムで起きているのについてはまだよく分かっていないことなんだけどね(笑)。


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