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世界のCO2排出量は他の国と関係なく、中国によって決まる

手塚宏之 代表取締役名誉相談役

バチカン2.JPGバチカン

手塚 例えば中国では製鉄所の建設ラッシュです。5年間で1億トンの生産能力が増強されています。つまり日本のすべての製鉄能力を上回る生産設備がたった5年間で作られているということです。

運営者 ミニミルみたいなやつなんじゃないですか?

手塚 いえ、全部ちゃんとした立派な高炉です。

運営者 エーッ、そうなんですかそれはすごいなぁ。

手塚 新規の製鉄所を作る場合は、政府が定めた環境関連装置を設置しなければなりません。

運営者 じゃあ一応、脱硫装置みたいなのはつけるわけですね?

手塚 いや、脱硫装置はとりあえずつけなくてもいいんです。

運営者 はあ、どうしてですか?

手塚 だって硫化水素やSOx、NOxについては風に乗って黄砂といっしょに日本に飛んでいきますから自分たちはどうでもいいんですよ(笑)。
 彼らにとって一番問題なのは水と化石燃料なんです。一部の省エネ設備は同時に水を使わずにすむ装置です。これについては導入が義務化されていてほぼ100%普及しています。省エネ設備も一定基準以上のものを導入しないと新規投資できない。
 だから自分たちにとって必要なものは導入しますが、どうでもいいと考えている装置については放置しているようですね。結局は自分たちの損得勘定なわけです。

運営者 それはどうも、日本の環境政策とぜんぜん違うようですな。現政権は、他国の環境対策にまでおカネを出す気満々のようですから。
 だいたい彼らは砂漠の中にバカみたいに資源を投入して巨大な無人の街をつくって、それを全部売って不動産バブルを煽っているわけで、そんな国が「環境政策」と言っても何の説得力もありません。
 いま手塚さんがおっしゃった中国の施策は、環境政策ではなくて、なにか別のものであるように思えます。

手塚 2050年ごろには、日本がどのような環境政策をとるかに関係なく、中国がどの程度のエネルギー消費国、CO2排出国になっているかによって、世界のCO2排出量は決まることになるでしょう。
 今EUの環境閣僚委員会では、EUが目下掲げている「CO2排出量を90年比で20%削減する」という中期目標をそのまま維持するか、30%に上乗せするかの議論をしています。「他の主要国が削減努力をするのであるならば、EUの削減の目標値を30%に上乗せしてもよい」という議論です。
 その議論の中である人が指摘したのが、もし中国から「われわれもCO2を削減する努力をするので、EUも30%削減をやってほしい」と言われたとして、EU全体が必死の思いで30%削減をやったとしても、EU全体でCO2排出量10%上乗せするという効果は、中国のCO2排出量の2週間分にしかならないという厳然とした事実です。
 「王様は裸だ!」と少年が叫んだようなもので、みんな問題の本質に気がついたでしょうね(笑)。

運営者 うーん、もしCO2が地球温暖化の元凶だとすると、地球の命運を握っているのは中国ということになりますね。

手塚 キリスト教的な考え方をするならば、EUがCO2排出量30%削減への上乗せを頑張ってやったとしても、それは神の裁きの日が2週間先に延びたことにしかならないということですよ。

運営者 それは見事な指摘ですな!


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