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省エネや省資源に取り組み始めた中国

手塚宏之 代表取締役名誉相談役

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手塚 民主党はリベラル系だからオバマ大統領はおそらく「環境問題に取り組みたい」と思っているはずですよ。しかし、地球温暖化問題に触れても政権としては何の得もない状態になっているということなんでしょう。
 つまり地球温暖化問題は、米国の主要政策として取り上げるには、終わっているということです。
 逆に言えばアメリカ国民の中では、「地球温暖化問題というのは自分たちにとって重要な政治的アジェンダだ」という意識がなくなっているということです。大統領年頭教書というのは、国民が聞きたい、解決したいと思っていることについて方針を示すのですから、そこで触れていないというのは国民のプライオリティが低いという証拠なわけです。

運営者 そうすると、日本の政策担当者の地球温暖化問題に対する妙に積極的な意識はなんだか心細いですね。

手塚 アメリカやヨーロッパが腰が引けてきているのに、日本は周回遅れで「地球温暖化対策基本法を作りましょう」とか、「二酸化炭素削減目標をたててそれを達成しましょう」とか言っているわけです。

運営者 中国とかはどう考えているんですか?

手塚 まず中国は、太陽光発電装置を作っているメーカーに補助金を出しています。
 一方でドイツでは、太陽光発電装置に投資する人に固定価格買取制度という支援策をつけています。そうすると、ドイツ人はどうするかというと、みんな中国製の太陽光発電装置を買うことになります、だってそっちの方がドイツ製のものよりも補助金の分安いわけですから。安い機器に投資すれば高い買取制度と合わせて儲けが最大化できますよね。
 政治家は「グリーン産業で雇用創出」とか言っていますが、皮肉なことに太陽電池産業の雇用は中国で増えているわけです。負担は高い電気代を払わされているドイツの消費者が払わされているんですけどね。

運営者 中国は日本が数十年前にやったような産業政策をよく勉強してトレースしているようですね(笑)。

手塚 それで中国にとっての環境問題というのはもっと複雑な問題です。CO2排出量はその国のエネルギー消費量にほぼ比例しますが、中国はアメリカを抜いて2010年から堂々の世界一の座にいます。
 世界のシェアで言うと中国が21%で、アメリカが20%、世界全体のCO2を排出しています。この2か国で40%以上。日本は4%くらいです。

運営者 それで何でわれわれ日本人が、ヒステリックなまでに地球環境を気にしなきゃいけないのか、やっぱり僕には理解できませんね。

手塚 問題は、中国が21%のままで止まるかどうかです。中国の経済計画では、年率7-8%の経済成長を続けることになっています。ということは10年でCO2排出は2倍になるということです。2020年のことです。

運営者 複利計算だとそうなりますね。

手塚 つまり8%の経済成長を続けるということは今の倍のエネルギー、つまり化石燃料を消費するということです。それだけの資源が入手できるのでしょうか。結局中国にとっては環境問題以前の問題として、自分たちのサイズ自体が自分たちの成長抑制要因になっているという事実に気が付き始めているわけです。だから中国内部では外から言われる以前に省エネや省資源に取り組み始めています。

運営者 どこで? 聞いたことないですよ。



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