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オバマ大統領の年頭教書から「環境」の文字が消えた

手塚宏之 代表取締役名誉相談役

バチカン1.JPGバチカン

運営者 ではその日本の現民主党政権の環境政策なんですけど、どうなってるんでしょうか。私はよく知らないんですけど、知りたいとも思わないし。もう鳩ポッポの国連演説で呆れてしまって・・・

手塚 それが、彼らの基本的なスタンスについては、体系的には聞いたことがありません。常に言われているのは、90年比で25%削減というマニフェストに書いた目標値です。それ以外の制度や政策については百論噴出でコンセンサスがあるとは言い難いでしょう。

運営者 エーッ、それだけなんですか!
 じゃ問題は、そのマニフェストに書かれた数値はどのようにして決定されたかですね。

手塚 それは民主党内部のことなのでよく知りません。というか民主党のセンセイ方に聞いてもよくわからないという・・・。
 ただまあ一般的に、日本の政策は、「日本は遅れているから、欧米で起きていることをまねしておけば間違いないだろう」と思うという嫌いはありますよね。

運営者 それは日本人が持っている人まね子ザル的な姿勢なんですけど・・

手塚 日本にはキリスト教型の原罪意識はないけど、「地球に優しいことはいいことだ」という、自然崇拝的、イメージ先行的な環境主義はありますよね。あと自民党の産業寄りの政策へのアンチテーゼとして、アンチビジネス的なセンチメントが相乗りしていると思います。
 でも環境主義の先端を行くヨーロッパで、理念先行型の政策に対しては先に紹介したような反発や疑問の声が上がり始めているわけです。実はアメリカも、ヨーロッパと同じような道筋をたどっています。京都議定書ができた97年ごろ、アメリカの環境問題をリードしていたのはクリントンやゴアですよね。

運営者 不都合な真実ですからね。

手塚 それでコアはノーベル賞をもらったんだけど、あるイギリスの大学教授が、クリントン大統領が在任中の8回の年頭教書演説の中で、「気候変動」「地球温暖化」「環境」という3つのキーワードのどれかに何度言及しているかを数えたんです。
 年頭教書は、向こう1年の中で「私はこのような政策を行う」と大統領が議会で宣言する所信表明であって、政治的に考えてどのような言葉を使うべきか大勢の専門スタッフの手によって練りに練られた演説です。
 この先生の集計によると、クリントン大統領の任期8年間の年頭教書演説にこれらのキーワードが出てきた回数は、平均6回だったそうです。
 その後のブッシュ大統領は非環境派の大統領だったですよね。

運営者 そりゃそうですよ、自分が石油会社の出身だし、チェイニーだって石油絡みの商売をしているし。

手塚 だからブッシュ大統領は環境問題には触れずに過ごしているようなイメージがありますが、彼はそれでも8年間の年頭教書を通して平均2回それらのキーワードに言及しています。
 じゃあオバマ大統領は何度くらい使っていると思いますか?

運営者 オバマ大統領なんか、さんざん使っているに決まってますよ! 民主党リベラルでしょ。

手塚 ところが彼は就任以来今回で年頭教書演説を3回やっていますが、平均で1回しか言及していません。今年の演説では1時間20分もしゃべっているのにただの1回も、「環境」も「気候変動」も「地球温暖化」にも触れていないのです。

運営者 つまり、彼は環境問題についての環境が変わったということを知っているわけですね(笑)。



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