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「再生可能エネルギー」へ乗り換えたドイツの政治的決断

手塚宏之 代表取締役名誉相談役

ペーター.JPGペーター教会

手塚 アメリカの繁栄はだれの目に見ても明らかでしたから、イギリスも石炭経済から90年代になって北海の天然ガスに切り換えました。でも最近になって枯渇が危惧され始めています。一方ドイツやチェコは天然ガスが出なかったので北海油田からの供給と、旧ロシア圏からカスピ海経由などパイプラインを通して買ってきています。ところがそこにプーチンが出てきた。彼は資源ナショナリズムを主張し始めて、ある日突然ウクライナ向けの天然ガス供給を止めてしまった。それでヨーロッパ諸国は青くなってしまったわけです。実はロシアに生命線を握られていると・・・。

運営者 資源価格が高騰しましたからね。ロシアはそれで食えることがわかった。

手塚 一方のヨーロッパは、ロシアの天然ガスに頼る政治的な危険性を悟ったので、「風力や太陽光のような自国内で賄える再生可能エネルギーの創出が必要である」ということになった。ドイツでは右派勢力も安全保障の観点からそう考えたし、左派はもともと環境をやっていたから再生可能エネルギーを支持していたので、両者がワンヴォイスになったんです。

運営者 僕らがドイツに行くと、とにかく分別。とにかく細かく分別して回収するんですよあいつらは。

手塚 あれは彼らが日本人とよく似ているところだね。

運営者 きっちりしてますからね。それで山の方に行くと恐ろしい数の風車が同じ方向を向いて並んで回っているわけです。原発をやめて、風車をあんなに建てるほうがよほど環境破壊じゃないかと思いますよ。そこまでヒステリックにやらないといけないもんですかねえ。これはどう考えればいいんでしょう。

手塚 ドイツ人は、「右だ」ということになれば、全員右を向くんです。

運営者 まあ、昔そういうことをしたような・・・日本と一緒なんだけど。

手塚 おそらく緑の党が出てきて環境問題が声高に叫ばれる一方で、右側の人たちも「このままではロシアの資源ナショナリズムに、将来のドイツ経済を握られてしまうという恐れを感じたがゆえに、ドイツでは環境政策がマジョリティーになって再生可能エネルギーが大量に導入されることになったのでしょう。

運営者 イタリアでは緑の党は消えてしまったらしいですよ。イタリア人にはそういう感覚はないと。

手塚 それで何が起きたかというと、岡本さんが見てきたように、ドイツでは太陽光発電と風力発電に徹底的に政策的支援をつけて、電力固定価格買い取り制度を整備して再生可能エネルギーへの乗り換えを図ろうとしているわけです。日本でも民主党が来年度から導入しようとしている、電力会社が風力発電などによる電力を一般より高い一定価格で一定期間買いあげなければならないという定額買い取り制度なんですが、ドイツではこの制度が10年ちかく前からすでに導入されています。
 こうした制度の問題は、「太陽光発電を普及させることによってCO2の排出量が減らせる」という言い方をしていれば、周りの人たちはそれに反対することができないということです。

運営者 私は、そういう環境を至上主義者の言っていることは、かなりまゆつばだと思っているんですけどね。どこに問題があるんでしょうかね?


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